「ロックオン。ミニジャボテンダーさんの名前は何がいいとおもいますか?」 「そうだな。父親のサボテンは国外産だから、子供はハーフか?」 「そ、そうなのですか!」 「ああ。多分ハーフだな、うん」 サボテンとジャボテンダーの子供なら、ハーフだろう。どんなジャボテンダーだってつっこみたかったけど、もともともミニジャボテンダーをつくったのはロックオンだ。 「では・・・子供は男の子のようなので、ジャボジャボなんてどうでしょうか」 「うーん、あえて女の子の名前つけてみるなんてどうだ?ジャボリーとか」 「ジャボリー!かわいいです」 ロックオンが提案した名前を、ティエリアはいたく気に入った様子で、ミニジャボテンダーの名前はこうしてジャボリーと決まった。 そうして、数日が過ぎたある日。 「ちょっとロックオン!あなた、ティエリアにまた何を吹き込んだの!」 ミス・スメラギに呼び出され、ロックオンはお説教を受けた。 なんでも、結婚がどうのこうのとティエリアが言い出したらしいのだ。ただ言い出すだけならミス・スメラギも何も言わないが、ティエリアは刹那に頼んで籍を入れる紙をもらってきたらしいのだ。 それを知って、ロックオンは半分感動した。 ティエリアが、自分と結婚したがっている。結婚する約束はしているし、ペアリングもしているが、籍をいれたがっている。 ミス・スメラギから解放されたロックオンは、上機嫌でティエリアの部屋にいくと、ティエリアを抱きしめた。 「ティエリア。俺と籍いれたいのな?やべー、かわいすぎ」 「は?誰がロックオンとですか?」 ロックオンの腕の中で、ティエリアは真面目な顔でそう返してきた。 ロックオンはその一言で灰になった。 でも、ティエリアはもじもじして、紅く染まった頬で上目遣いにロックオンを見てきた。 「そ、それはできることなら、あなたと一緒の籍には入りたい、です」 あまりのかわいさに、ロックオンはすぐに復活した。 「かわいい」 なでなで。 頭を撫でる。 「ところで、刹那からもらったっていう籍いれる紙には、一体誰の名前を書いたんだ?」 「勿論、ジャボテンダーさんです」 大切にしまっていた紙を、ティエリアは取り出してロックオンに見せた。 夫「ななしのごんべぇ」 妻「ジャボ子」 子供の欄には「ジャボリー」とかかれていた。 名前だけ。 綺麗な執筆で書かれている。 「かわいいこと、すんのな、お前さんて」 ロックオンは苦笑する。 「刹那に役所に届けにもらいにいったんですけど、つきかえされたそうで・・・」 「そりゃなぁ・・・・」 ジャボテンダーだしな。人間じゃないし。 「ジャボテンダーさんたちの恋は、人間の法律では認められないのですね。哀しいです」 「俺たちが認めてやればいいんだよ」 「そうですね」 ティエリアは、ミニジャボテンダーをロックオンの頭に乗せた。 ロックオンは、それを落とさないようによろめいている。 「ジャボテンダーさんは、結婚式はしたくないそうです。でも、僕は、あなたと結婚式をしたい」 ティエリアのその一言で、ロックオンはミニジャボテンダーを地面に落として、ロックオンにハグされまくったという。 NEXT |