花見でひゃっほい4







「うー腹へった」
ぐるるるとお腹のなるロックオンは、桜を見ながらビニールシートの上で寝そべっていた。
さっきの奥様連中はすでに立ち去ってしまった。
ティエリアは、ロックオンたちを残してどこかに行ってしまった。
それに、ロックオンが立ち上がる。
「ティエリア、変なとこでたまに方向音痴だからな」
ティエリアの跡を追いかける。

「いいじゃん。一緒に花見しようよ」
「そんな暇はない」
その頃、ティエリアはその美貌ゆえに花見にきていた少年グループにナンパされていた。
「すっげー美人。なぁ、いいじゃんか」
「桜でもナンパしていろ」
そっけない態度のティエリア。
一人の男の手が伸びて、ターバンを刹那に返し、黒のストールを肩にかけたティエリアの、ストールを奪い取った。
「ほらほら。これ返して欲しければ、一緒にこいよ」
「それは!!」
黒の絹でできた最高級のストールは、ロックオンが買ってくれたものだ。
「返せ!」
ティエリアは叫んだ。
桜の花が、舞い散る。
次の瞬間には、ストールを持っていた少年はティエリアに蹴り飛ばされて、桜の木に抱きついていた。
ストールを取り戻し、ティエリアは安堵する。そのストールはとても気に入っているのだ。
「こんにゃろ」
安堵していたせいで、気をぬいてしまった。
後ろから羽交い絞めにされる。
「離せ」
「うわー、すげーいいにおい」
男が後ろから、ティエリアの肌を触る。それにティエリアは叫び声をあげそうになった。
右手にもった荷物のせいで、うまく立ち回りができない。

突然、ティエリアは自由になった。
羽交い絞めしていた少年は、殴り飛ばされて地面に伸びていた。
「ロックオン!」
ロックオンの手が、ティエリアを抱き寄せる。
「俺の恋人に何か用か?」
明らかに腕がたつという風貌のロックオンに、少年たちは逃げ出した。残されたのは、地面に伸びた少年くらいだ。ティエリアに蹴られた少年はも逃げ出している。
「だめだろ、勝手にいなくなったりしちゃ」
「ごめんなさい。でも、あなたはほとんど何も食べていなかったから。お腹がすいているだろうと思って」
ティエリアの右手には、屋台のイカ焼きと焼きそばの入ったビニール袋があった。
「わざわざ買いに行ってくれたのか。ありがとな」
「いいえ」
二人は手をつないでアレルヤと刹那の元に帰った。

ロックオンは、ティエリアが買ってきてくれたイカ焼きと焼きそばを食べた。
刹那、アレルヤ、ティエリアにも分ける。
「おいしい」
ティエリアは、食べてそう零した。
「屋台の食べ物も、けっこう美味いもんだぜ?」
ロックオンの言葉通り、屋台でかったイカ焼きと焼きそばは美味しかった。



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