花見でひゃっほい6







「少年、いざ一つにならん」
刹那は暴れたが、しょせんは力が違う。
ハァハァハァと荒い息が耳元で聞こえる。
「この変態!」
服を脱がされかかって、流石の刹那も顔面蒼白になった。
刹那は硬直している。

「うおおおおお!?」
パトラッシュと泣いていたティエリアが、グラハムの股間を蹴り上げた。
「刹那、しっかりしろ!」
アレルヤが、グラハムをどこから持ってきたのか分からない縄で縛り上げる。
ロックオンは混乱がおさまらないようで、シェー、コマネチ、アイーンをしながらグラハムに指をつきつけた。
「アイーン!うちの刹那に、コマネチ!手出しはシェー!させないぞアイーン!」
刹那は、ぶわっと涙を流してティエリアに抱きついた。
「怖かった・・・」
「大丈夫だ刹那」

「なんの!愛は障害があればあるほどに燃える!」
尺取虫のように、縛られたまま這いずるグラハム。
ティエリアはその頬を叩いた。
「な、殴ったな!オヤジにもぶたれたことないのに!」
「アホか!」
「いや、一度この台詞をいってみたかった。ハァハァ、美少年、君もそそる・・・あっちの青年も、なんだか混乱している面白い青年も・・・・ハァハァ・・・・」
「あ、警察ですか、変態がいるんです。引き取りにきてください」
アレルヤが携帯電話で警察を呼び出そうとしたその時であった。
パン!
変態グラハムの額を、銃弾がうちぬいた。

「いやぁ、すまないね君たち。僕の友人が変態行為で世話をかけた」
ビリー・カタギリが、サイレンサーつきの銃を片手に、その友人の額を撃ち抜いて苦笑していた。
そして、ふんどし一丁でしばられたままのグラハムをよっこらせと肩に担ぎあげる。
「本当にすまない。額を撃ち抜いておいたので、しばらくは復活しないと思うよ。じゃあ、僕はこれで」
ビリーとグラハムは去ったいった。
まるで嵐のように。

「一体、なんだったんだシェー!よくわからんコマネチ!奴らだったなアイーン!」
「ロックオン、いつまでやってるんですか」
「いや、なんかシェー!止まらないアイーン!」
「ロックオン、止めてあげるよ」
アレルヤが、ハリセンで思い切りロックオンの頭を殴った。
「・・・ぴよぴよ・・・お星様がまわってる・・・」
ぴよったロックオンを、ティエリアがビニールシートの上に寝かせて回復を待った。
刹那はガタガタ震えている。
アレルヤは、刹那の頭をなでる。
「アレルヤ・・・・怖かった」
「もう大丈夫だから」
アレルヤは、刹那の乱れた衣服を整えてあげて、首にターバンを巻いてあげた。
ティエリアが、肩から黒のストールをとって、刹那にかけてあげる。それから、ぎゅっと抱きしめる。
「大丈夫だから、刹那」
「ティエリア・・・・」
刹那は、ほどなくして平静に戻った。
ロックオンも気づいて、花見の場所を移動することとなった。



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