「ミス・スメラギは泥酔状態だった。昨日もそうだったし、あんな状態でジャボリー君を吊るすことはできないな・・・」 ティエリアは、再度ターバンをみる。ミス・スメラギのほかにクルーにいる全員の女性の名前が書いてあった。 胸のボイン度を書いてあったのだ。 一番下に書かれてあった名前はティエリア・アーデ。無性だけど胸あり、しかもまな板と書かれてあった。 ズーンとティエリアが沈む。 ロックオンは、そのターバンをゴミ箱に捨てた。 「俺は気にしてないから、な?」 ぎゅっと抱きしめられる。その暖かな温度に、ティエリアは目を瞑って、自分からロックオンに拙いキスをした。 「はい」 ティエリアは、頬を染めて頷いた。 ジャボリー君を抱えて、部屋に戻って再度現場検証をする。 そして、床にネジが落ちているのを発見する。 「これは・・・・イアンか!」 ティエリアとロックオンは、イアンのところに向かう。 「ジャボテンダー殺人事件の真犯人はイアン、君か!」 ビシっと指をつきつける。 「はぁ?」 イアンは、工具を手に素っ頓狂な声をあげる。 「このネジが現場に落ちていた!」 「それ、この前ティエリアが欲しいっていうからあげたものじゃないか」 ネジの形が珍しかったので、ティエリアが欲しがったのだ。まるで宝石のような色をしていてとても綺麗で。 「あ、そうか」 あっけなく、イアンの疑いは晴れた。 「イアン、ガンダムの調整はどうなっている?」 「ああ、順調だ」 「そうか。バーチェのGNフィールドが時折不安定になる。調整のほうを頼む」 その時のティエリアの顔は、とても凛々しく孤高で、まるで黒豹か雪豹のようだった。ガンダムに関わると、ティエリアは人が変わる。 「おう、任せとけ」 「イアン、俺のデュナメスも」 「一番最後だな」 「なんで!」 「ティエリアが寂しがってたぞ。ロックオンが、いつも地上に降りて、帰ってこないって。バーチェで追いたいけどミス・スメラギからの待機指示があるからできないって」 「イアン!」 顔を真っ赤にして、ティエリアはロックオンを連れて部屋に戻った。 「ターバンに書かれた名前は、真犯人を撹乱するための作戦か。この足跡・・・・40センチの足をもつイエティか巨人が、トレミーに潜んでいるのか!?」 「いや、ないない。それは絶対にない」 「ふむ・・・・む。ジャボリー君を吊るすだけの腕力が必要だ。ベッドの下に筋トレのパンフレットが落ちていた。真犯人はラッセだ!」 ロックオンは、またもやティエリアに連れられてラッセのところに行った。 こうトレミーを右往左往しているだけだが、ティエリアと行動しているだけで楽しくなる。 本当に、ティエリアには悪いことをした。今度からは、ちゃんとティエリアも連れて地上に降りよう。そう思っていると、ラッセの部屋についた。 「ジャボテンダー殺人事件の真犯人は君だな!?この筋トレのパンフレットが室内に落ちていた!君の足は40センチだな!?宇宙フグを捕まえただろう!」 ティエリアに一気にまくしたてられて、ラッセはぽかんとしていた。 「さぁ、どうなんだ!」 「あ、ああ。確かに俺はそのジャボテンダーをティエリアの室内に吊るした」 「ええ、まじか!?」 ロックオンが驚く。 「真犯人は、やはり君か!」 ティエリアが、どこから取り出したのかも分からない手錠をラッセにかけようとすると、ラッセは慌てた。 「いや、頼まれたんだ。とある人物に」 NEXT |