ジャボテンダージャボテンダー。 彼は、はるか300万光年離れた惑星ジャボテンダーからやってきた使者である。と、冗談はこのくらいにしておいて。 ティエリアの誕生日、普通に祝おうということになっていたのだが、せっかくだからジャボテンダーで祝おうということになったのである。 こうして、刹那は勿論逃げ出し、ロックオンはティエリアと一緒にジャボテンダーの行動のを見るという任務があったので、アレルヤが人生の恥を惜しんでジャボテンダー着ぐるみを着て行動を開始した。 「ティエリア。ジャボテンダーがやってきたぞ!」 「なんと!ついに、ジャボテンダー星から使者が僕の元に!」 ロックオンは、ティエリアの言葉に「ええと、どうしよう」と迷った後、言葉を続けた。 「そ、そうだ、ジャボテンダー星の使者だ!」 「僕がジャボテンダーさんを愛するがあまり、お友達になりたくて新たなジャボテンダーさんが使者となってやってきたのか」 ティエリアはいてもたってもいられず、ロックオンの首根っこを引きずって、ジャボテンダー星の使者に会いにいった。 今、ジャボテンダー星の使者は食堂にいる。 「ジャボテンダー星の使者さん!僕はティエリア・アーデといいます!お見知りおきを!」 いきなり入ってきたティエリアは、そう自己紹介をすると、ジャボテンダーの着ぐるみをきたアレルヤの向かいに座って握手した。 刹那は、その様子をみて笑い死にするのを必死で堪えている。 ティエリアの後ろにいるロックオンだって、すでに笑うのを我慢していた。 「サインをください!」 求められるままに、アレルヤはサインをする。 「へぇ、お名前はジャボンさんですか」 アレルヤは必死で適当に考えた名前をサインしたのだ。 ちなみに、着ぐるみだが、顔の部分は露出しているので、中身はアレルヤだと丸分かりだ。なのに、ティエリアは気づかない。ここまでくるともう天然を通りこしている。 「僕はホワイトメロンソーダが好きです。君は?」 「ええと、コ、コーラかな」 「かな・・・・?ジャボテンダーさんはみんな、語尾に針万本とつけるはず。君はもしかして、スパイか?」 ティエリアが、疑惑の眼差しをアレルヤに向ける。 「あ、ああ、コーラだよ針万本」 「そうですか」 ティエリアはうっとりしていた。 「ロックオン、コーラを1リットル用意してください。飲むそうです」 「い、一リットル針万本!?」 「ぶく・・・・くくくく」 背後の離れたところで、刹那が腹を抱えてテーブルをバンバン叩いていた。 「あ、ああ、今入れてくる」 ロックオンは、巨大ジョッキに一リットルのコーラを入れて、アレルヤの目の前に置いた。 「さぁ、遠慮せずに全部飲んでください」 「ぜ、全部針万本!?」 「ジャボテンダーさんは皆、一気飲みが得意です。さぁさぁ、一気飲みで。遠慮することはありません」 「い、いや、今実はおなかの具合が悪くて針万本」 「それはいけない!ドクター・モレノのところにいきましょう!!」 「ええ、ドクター・モレノ針万本!?」 語尾に必ず針万本を忘れないアレルヤ。律儀だ。 そのまま、アレルヤは引っ張られてドクター・モレノの診察室にいく羽目になった。 もちろん、ロックオンも一緒だし、行動を見たい刹那も一緒だった。 NEXT |