ジャボテンダー星からの使者2







「ドクター・モレノ!急患だ!」
いつものようにドクター・モレノの診察室にやってきたティエリア。
ジャボテンダー姿のアレルヤを見て、ドクター・モレノは飲みかけのコーヒーをぶばっと盛大に吹き出した。
「な、なんつーかっこしとるんだ」
「いや、いろいろ事情があって針万本」
「お腹が痛いそうだ。診察してやってくれ」
ドクター・モレノはいつものように聴診器をティエリアの頭にあてる。
「ちょっとやばいな」
「やばいのか!?」
驚くティエリア。
「ああ、ティエリアの脳がな」
流石に、ここまでくると重症かもしれないと、ドクター・モレノは思った。
「そうか。僕の脳か」
ティエリアはけらけら笑っていた。
「それよりも、ジャボテンダーさんを診察してやってくれ」
「いや、それアレルヤだろ、どう見ても。変な格好してるけど」
ドクター・モレノの「アレルヤだろう」という指摘は、ティエリアの耳から入って耳から抜けていった。

ロックオンが、ドクター・モレノに耳打ちする。
「これ、ティエリアの誕生日を祝うジャボテンダー誕生日会なんだよ!いつものように頼むぜ大将」
「仕方ないなぁ」
ドクター・モレノは吹き出したコーヒーを雑巾で綺麗にふいてから、聴診器をアレルヤの額にあてた。
「あの、なんで額なのかな針万本」
「だって、露出してるの顔しかないだろ」
「それもそうだね針万本」
「アレルヤ、人間辞めるとここまでできるんだなぁ。感心した」
「くじ引きで負けた針万本」
「そうか。あとで酒でも奢ってやるよ」
「ありがとう針万本」

「ドクター・モレノ!ジャボテンダーさんを誘惑しないでください!」
「してないしてない」
ドクター・モレノは苦笑する。
「お腹が痛いそうなので、額に聴診器をあててもなんにもなりません。腹部にあててください」
「はいはい」
ドクター・モレノは着ぐるみをきた腹部に聴診器をあてる。
「何にも異常なしだ」
そして、次はまたティエリアの頭に聴診器をあてる。
「ティエリア、脳みそやばいのにいいのか?」
「大丈夫、自己再生する」
「そ、そうか」

「ではジャボテンダーさん、食堂に戻りましょう」
「分かった針万本」
「ティエリア、良かったな。今日はジャボテンダー星の使者が来てくれて」
「はい!」
ロックオンの言葉に、とても綺麗な笑顔を零すティエリアだった。
刹那も一緒になって、皆で食堂に移動した。

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