「ドクター・モレノ!急患だ!」 いつものようにドクター・モレノの診察室にやってきたティエリア。 ジャボテンダー姿のアレルヤを見て、ドクター・モレノは飲みかけのコーヒーをぶばっと盛大に吹き出した。 「な、なんつーかっこしとるんだ」 「いや、いろいろ事情があって針万本」 「お腹が痛いそうだ。診察してやってくれ」 ドクター・モレノはいつものように聴診器をティエリアの頭にあてる。 「ちょっとやばいな」 「やばいのか!?」 驚くティエリア。 「ああ、ティエリアの脳がな」 流石に、ここまでくると重症かもしれないと、ドクター・モレノは思った。 「そうか。僕の脳か」 ティエリアはけらけら笑っていた。 「それよりも、ジャボテンダーさんを診察してやってくれ」 「いや、それアレルヤだろ、どう見ても。変な格好してるけど」 ドクター・モレノの「アレルヤだろう」という指摘は、ティエリアの耳から入って耳から抜けていった。 ロックオンが、ドクター・モレノに耳打ちする。 「これ、ティエリアの誕生日を祝うジャボテンダー誕生日会なんだよ!いつものように頼むぜ大将」 「仕方ないなぁ」 ドクター・モレノは吹き出したコーヒーを雑巾で綺麗にふいてから、聴診器をアレルヤの額にあてた。 「あの、なんで額なのかな針万本」 「だって、露出してるの顔しかないだろ」 「それもそうだね針万本」 「アレルヤ、人間辞めるとここまでできるんだなぁ。感心した」 「くじ引きで負けた針万本」 「そうか。あとで酒でも奢ってやるよ」 「ありがとう針万本」 「ドクター・モレノ!ジャボテンダーさんを誘惑しないでください!」 「してないしてない」 ドクター・モレノは苦笑する。 「お腹が痛いそうなので、額に聴診器をあててもなんにもなりません。腹部にあててください」 「はいはい」 ドクター・モレノは着ぐるみをきた腹部に聴診器をあてる。 「何にも異常なしだ」 そして、次はまたティエリアの頭に聴診器をあてる。 「ティエリア、脳みそやばいのにいいのか?」 「大丈夫、自己再生する」 「そ、そうか」 「ではジャボテンダーさん、食堂に戻りましょう」 「分かった針万本」 「ティエリア、良かったな。今日はジャボテンダー星の使者が来てくれて」 「はい!」 ロックオンの言葉に、とても綺麗な笑顔を零すティエリアだった。 刹那も一緒になって、皆で食堂に移動した。 NEXT |