ジャボテンダー星からの使者6







「がんばれ、それ耐水性だから水吸って重くなることないから」
こうして、ティエリアとアレルヤは一緒に大浴場の湯に浸かった。
無論、ロックオンと刹那も一緒だ。たまに皆で入ることもある。ティエリアはロックオンの指示通り、いつものように胸の位置までバスタオルを巻きつけての入浴だ。
ロックオンと刹那は、海水パンツをはいて入浴した。

アレルヤは、浸かろうとしてプカプカ湯船に浮かんでいた。
「ああ、ななんか凄い針万本」
耐水性の上に、軽い素材でできているため、中にアレルヤが入っていても浮かぶのだ。何度普通に入浴しようとしても浮かぶので、大きな湯船を浮かんでいた。
無論、ジャボテンダーの着ぐるみを脱いでの入浴はNGだ。
「いいお湯ですね、ジャボンさん。素敵な浮き具合です」
「プカプカしててちょっと楽しいよ針万本」
アレルヤが笑った。
その涙ぐましい姿に、ロックオンは言葉も出ない。刹那は「ぶふっ」っと吹き出していたが。

10分ほど経った後、皆浴槽からあがる。ずっと浸かっていては、のぼせてしまう。
「では、ジャボンさん、入浴をこのまま楽しんでくださいね」
ティエリアはそう言って、出て行ってしまった。
「ええ、ちょっとみんなー針万本」
「訓練があるからな」
「アレルヤは病欠ということにしておく」
刹那が真面目にのたまう。

そのまま、アレルヤを欠いた面子で、バーチャル装置を使っての戦闘訓練が終わった。
「いい加減、ジャボテンダー迎えに行かないか?」
「そうですね。そろそろジャボンさんも満足したでしょう」
その頃のアレルヤは、ただひたすら湯の中でプカプカ浮いていた。
「ああ、寂しい針万本。これが放置プレイ・・・・いっつもされてるけど、この姿でされるとさらに虚しい針万本」
「ジャボンさん、満足しましたか?」
ティエリアが、ひょいっと顔をのぞかせる。
「したしたしたしたもう凄いしたから助けて針万本」
こうして、アレルヤは湯船から回収された。
そして、白いシーツが干されたデッキに、干されるアレルヤ。
竿に縄で縛られて固定され、そのまま干された。
「ああ、太陽が眩しい針万本・・・・」
たそがれるアレルヤ。
ティエリアはその傍で、テーブルと椅子を置いて、刹那とロックオンと優雅に紅茶とお菓子を食べていた。
「あの、これいつまで続くのかな針万本?」
「日が沈むまでです」
あと3時間はある。

3時間、ずっとアレルヤは干されていた。
シーツを回収にきたクルーが、干されているアレルヤを見て逃げ出したのは仕方のないことかもしれない。
そして、やっとおろされる。
「夕暮れになりましたね。さぁ、夕飯です」
アレルヤを伴って、また食堂にくる。
そこには、ドドーンと、巨大ジョッキの中に一リットルのコーラが入っていた。
「さぁ、また一気飲みしてください、ジャボンさん!」
ティエリアの目はきらきら輝いている。

だめだ、このままでは僕は殺される。
コーラに殺される。

ジャボンは、ついにその場を逃げ出した。

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