「あっはっははははははは、太陽が眩しいな!」 その場を凍らせる、復活したグラハム先生の笑い声。 上は・・・ネクタイをしめていた。それだけだ。足はちゃんと靴下と靴をはいている。あとは露出している。フルチン教師は、ネクタイをきちんとしめた姿で生徒たちを追い掛け回す。 「フルチンは健康にいいぞー!さぁ、皆もフルチンになるのだああああ!!」 「グラハム!あれほど言っただろう、ふんどしをしめわすれている!」 グラハム先生の親友のビリー・カタギリ先生が、黒のフンドシをもってグラハム先生を追い掛け回す。 「ほら、ちゃんとふんどしはかないと!」 「今日はフルチンの日なんだああああ」 どうすればグラハム・エーカーなる変態教師と親友になれるのか分からないが、なんでも幼馴染だそうだ。ビリー先生の話では、グラハム先生は昔はから変態だったそうだ。この学園にやってきて、完全に頭のネジがいかれたらしい。それはそれは、名変態となってしまった。それでも見捨てないあたり、流石はビリー先生。人ができている。 ビリー先生の説得で、グラハム先生は黒のふんどしを着用した。中央にはやっぱり「少年命」の文字が書かれているし、レースがいっぱいまわりを彩っている。 「これは勝負フンドシだ!さぁ、少年よおお、いざ熱い一夜を、この愛のヴェーゼをおお」 迫ってきたグラハム先生はむちゅーと唇をつきだして、刹那に近寄ってくる。 刹那は焼いた。 火炎放射器で。 そんなもの、刹那には到底手にいれられる代物ではないのだが、ティエリアとリジェネの家のメイドさんが渡してくれた。 変態にはギロチンを。 もしくはギロチンなみのものを。 その家訓は、居候にも響く。いや、響かなくても刹那はグラハム先生をボコボコにしただろうが。今回は真っ黒焦げに焼かれただけである。 「あちーあちーこれが愛のあつさああああああああ!!」 黒焦げになって、グラハム先生は倒れた。 刹那は雪をグラハムにかける。ライルにニールもアレルヤもリジェネもティエリアもみんなでグラハム先生を雪に埋葬した。みんなで雪で埋めた部分を何度も何度も硬く踏みしめる。 グラハム先生の墓。 そう書かれた板をたててみた。 「南無阿弥陀仏」 ティエリアは、どこからか数珠を取り出してグラハム先生に向けてお経を唱える。 メイドさんが、日本からわざわざ連れて待機させていたというお坊さんを引っ張ってきて、その場で簡単な葬式が行われた。 線香がたかれる。 お坊さんの立派なお経に、グラハム先生も成仏してくれる・・・はずがなかった。 ボコ、ボコ、ボコ! 墓からゾンビの如く蘇ったグラハム先生。 でも悲鳴はない。 すでに、みんなグラハム先生のことなんて完全に忘れて、クラブ対抗の雪像作りに回っていた。 「少年たちよおお、私と愛の課外授業をおおお」 抱きついたのは、むさくるしいお坊さん。 お坊さんは何度もお経を唱え、線香の灰をグラハム先生にまぶした。 「ペッペッ、何をするか!」 「大人しく成仏しなさい」 「少年たちがそこにいる。ハァハァ。この愛がある限り、このグラハム・エーカーは不滅だ!」 お坊さんも負けない。グラハム先生を素早くお経でがんじがらめにする。 「この妖怪め!成仏できずに幽霊となるどころか妖怪となったか!!」 「ハァハァ。少年たちはどこだ・・・・クンクン・・・かすかにあっちから少年の匂いがしてくる。そう、少年はいつも同じ石鹸を使っているんだ・・・クンクン・・・・」 お坊さんを突破したグラハム先生は、地面をかぎまわりながら歩きだした。 NEXT |