青春白書14







「そうか。うん、このままティエリアは泊める。週末だし、このまま日曜まで家にいさせる。いいな、アレルヤ?」
電話側のアレルヤは、安堵したように了承してくれた。
アレルヤから全て聞いた。
ティエリアがアレルヤに「告白」をしてそれをアレルヤは受け入れず、そしてティエリアは家を飛び出したのだと。
いわゆる家出のようなものだろう。
ニールは自分の家にティエリアが来てくれて心から安堵した。
「う・・・ん」
ベッドで寝返りをうつティエリアの額にキスをする。
そのまま、同じベッドで眠った。
朝起きると、横にティエリアはいなかった。ニールは一人暮らしだ。
まさかどこかに行ったのかと焦ったが、靴があったのでほっとした。
でも、それもつかの間のことだった。
リビングルームで、ティエリアはあられもない姿で座っていた。
綺麗に伸びたロングストレートの髪が、無残なことになっていた。
「ティエリア?」
鋏を持ったまま、放心しているティエリアから鋏を取り上げる。切ったのは髪だけで、体に傷はつけていないようだった。
「ティエリア」
ゆっくりと、石榴の瞳がニールを見る。
「愛して。僕だけを愛して」
服を脱ごうとするティエリアを止める。
「どうして?愛してくれない?」
「大丈夫、愛してるよ。でも、まだ早い。卒業するまで、体の関係はなしだ。それが最低限のルールだと俺は思う。教師と生徒だからっていうのもあるけど」
「本当に、僕を愛してる?」
「ああ、本当だとも。大好きだよ。結婚しよう」
「・・・・・・・・・・アレルヤに振られた」
ティエリアは泣き出した。
「アレルヤから聞いた」
「アレルヤのために伸ばした髪・・・こんなの、いらない!」
「ティエリア」
頭をかきむしるティエリアを抱きしめ、ニールは唇を重ねると、はじめて舌を絡ました。
「ん・・・・・」
ティエリアが震える。
そのまま組み敷くと、ティエリアは顔を覆って震えながら泣き出した。
「怖い」
「だろう?無理に関係を求める必要なんてないんだ。俺は関係なんてなくてもティエリアを愛している。結婚しよう」
「・・・・・・・・・僕だけのニールでいてくれる?」
「ああ。お前だけのニールでいるよ。傍にいて、お前を守るとも。生涯かけて愛しぬく」
「・・・・・・・う、ううう、ひっく、ひっく」
ティエリアはニールしがみついて泣きじゃくった。
そのまま、髪はニールがそろえてあげた。綺麗に伸ばされていた髪は、ティエリアが自分でぎざぎざに切ったせいで、揃えると肩の高さになってしまった。
「約束して。卒業したら、ちゃんと結婚してくれるって」
「約束するとも。そうだな、不安なら婚約指輪を今度買いに行こうか」
たくさんのキスを受けて、ニールの腕の中でティエリアは落ち着いている。
「買いに行く。教会で結婚式あげるの。ウェディングドレス着てあげる」
「うん、そうだな。いいな」
まるで新婚のように。
甘い夢を語りあう。

「ニール」
「うん?」
「大好き」
ティエリアが、始めてニールのことを大好きと、好きといってくれた。
「愛してる。あなたが好き。アレルヤよりも好き・・・多分。同じくらい?まだここらへん分からない。アレルヤが今まで僕の全てだったから。あなたが僕の領域に入ってきた。アレルヤだけを見つめていた僕の視線が、いつの間にかあなたを見つめていた。僕の心を奪った責任とって」
「とるよ。だから、結婚しよう」
まるで子供のように駄々をこねるティエリアの言葉にちゃんと答えるニール。
そのまま、しばらくの間ティエリアはニールの家に泊まることになった。ニールの家から通学するティエリア。

ティエリアが自宅に戻ったのは、2週間後のことだ。
アレルヤは髪を自分で切ってしまったティエリアにショックを受けたが、また自分を変わりなく受け入れてくれるティエリアに感謝した。
そして、そのティエリアの指にはニールから買ってもらったという婚約指輪が光っていた。
話を聞いて、アレルヤは気絶した。

「僕の大切なティエリアがお嫁にいっちゃう!」
大学の友人に、そして彼女のマリーにそういって泣くアレルヤの姿が数週間続いたという。


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