ロックオンは、結局トレミーに戻ってこなかった。大破したデュナメスからは擬似太陽路はトレミーに戻されており、ロックオンの生存は絶望だった。 それでも、ティエリアは戦う。最後まで。 エメラルド色の光に包まれて、ティエリアは血まみれで意識を失った。 「あなたと、ずっと一緒にいると誓った。一緒にいく・・・・」 そっと、見える地球に手を伸ばす。 最後に、ロックオンもきっと地球に向かって手を伸ばすたはずだ。確信できる。それが何故なのかは分からないが、ロックオンはそうしたはずだ。 大破したバーチェは宇宙を漂う。 そのまま、同じく大破したトレミーになんとか収容されて、ティエリアは治療カプセルに入れられて目を覚ました。 「ロックオン?」 目を覚ましたティエリアの手を握っていたのは、フェルトだった。 「ロックオンはいないの。刹那も、アレルヤも・・・」 フェルトは泣いていた。 「そう、か」 彼の元にいきたいと思った。 でも、残った仲間を守るのは自分の使命。ロックオンが命をかけて守ってくれたのは僕の命。 世界を、変えなければ。 ティエリアは歩き出す。仲間と共に。 いつも、麦の穂のしおりを持っていた。 トレミーの修理が終わり、ティエリアの新しい機体セラヴィも完成し、収容された。他の3つのガンダムも。 ティエリアは制服をCBに導入に、自ら率先してそれを着て、リーダーとして歩みながら、CBを再建していく。 ティエリアは何度も泣いたし、挫折した。でも、麦の穂のしおりを握り締めてまた立ちあがる。 ティエリアは、ついに決心した。 彼と、お別れをしようと。 セラヴィで地球に降りた。刹那とアレルヤの行方は以前と分からないが、ロックオンの死はすでに確認されている。いつまでも、逃げてばかりいられない。 ティエリアは、アイルランドに降りた。 そして真っ白な薔薇を携えて、ディランディ家の墓に花束を捧げる。 「あなたと、ずっと一緒にいたかった。もう一度、神の庭に行きたかった」 花束を捧げて、冥福を祈る。 そして、ずっと大切にしていたしおりを、そっと墓の前に置いた。そのまま去ろうとしたが、やっぱり戻ってティエリアはしおりを胸に、膝を折る。 麦の穂のしおり。 愛しているという言葉と一緒に渡されたもの。ある部族で、プロポーズと一緒に渡すというもの。 「世界でたった一つの楽園・・・・・・・・・・」 別れ別れになったら、もう一度神の庭で会おう。 ティエリアは、セラヴィに乗って、空をかける。 NEXT |