「あああ、寒い。寒い、寒い。来てくれたのだなぁ、しょおおおねええええんん!!」 自殺しようと、というか自殺するふりをしていたハム仮面、ことブシ仮面のグラハムは、通報で早速やってきた刹那に向けて熱いまなざしをおくる。 「この寒い冬のした、二人愛に萌えて燃えて」 「勝手に燃えてろ」 刹那は、ダイナマイトを取り出すとジッポで火をつけてグラハムに投げる。 チュドーン! 盛大な音と煙と炎があがる。 グラハムは燃えた。 メラメラって。 「刹那、いきなりそれはないだろ」 そういいながら、ロックオンは射撃用の銃を取り出して、構えている。 白と黒のケープを翻して、ティエリアとリジェネが登場する。 二人を守るために、ロックオンは構えているのだ。 「びしょうねええええんん!!!」 メラメラと炎に包まれながら、グラハムがティエリアとリジェネに飛び掛る。 チュイン! ロックオンは、なんの警告もなしにグラハムの額を撃ち抜いた。 ブシ仮面ことグラハム・エーカーは生粋の変態でしかもホモだ。美少年が好きで、特に刹那が大好きだ。刹那は21歳で、少年という年ではないのだが、五年前に出会って運命的な一目ぼれをして以来、グラハムは刹那が恋しくてたまらない。少年と叫んでは、交際を迫り、体の関係を迫る。 それでも、一応このちょり〜す警察署所属の特殊警察官なのだが。みんな、そんなこと綺麗に忘れていた。 他にも美少年が大好きだ。ティエリアとリジェネはかっこうの的であるため、スナイパーのニールがいつも二人を護衛していた。 まぁ、護衛なんてなくても、二人とも特に体術に優れており、銃の腕も高く、襲われても仕返すタイプだが。 「やはり、貴様か」 「ふふふ、少年。どうした、ジェラシーか?非常に嬉しいぞ、私は!!」 「誰が貴様などにやくものか!いや、むしろ焼けとけ!」 また、刹那はダイナマイトを取り出して、グラハムに投げる。 チュドーン。 ビルの屋上を破壊していく。 グラハムはまた炎でメラメラと燃えて、刹那の言葉通り火に焼かれていた。 「熱い、熱いぞおお、これこそ少年のジェラシーか!!」 炎も、ロックオンが撃った銃すらグラハムにはきいていなかった。 「少年!私と一つになろう!!」 ひらひらひら。 冬の風が、露出変態でもあるグラハムの唯一の衣装、ふんどしをさらって流れていく。 「あー、だめだめ、子供は見ちゃだめだから」 ロックオンはティエリアの目を後ろから手で覆う。 ライルが、リジェネの目を。 ティエリアとリジェネは遺伝子操作を受けており、永遠の17歳であった。未成年。子供だ。ロックオンからすれば、いつまでたっても子供。 「何、これじゃ何がおきてるか見えないじゃない!」 リジェネが怒って、ライルを投げ飛ばした。 「もぎゃああああああ!!」 投げ飛ばされたライルの上には、ちょうどグラハムの股間があった。 ライルは絶叫して気絶した。 チーン。 ナムナム。 一同、手を合わせた。 「グラハム捜査官!服をきてください!」 もっともな意見をいって、アレルヤが予備のフンドシを渡した。 なぜアレルヤがふんどしを持っているのかは分からない。同じフンドシ愛好家かと、皆日ごろから疑われている。だって、こんなグラハム捜査官は、なんとアレルヤの友人だったのだ。他にもビリー捜査官が友人だ。 アレルヤ、皆になじめずにグラハムとビリーの輪に入る。 これって、はみごっていうんだよね。 「アレルヤのはみごー」 リジェネがけらけら笑いながらアレルヤをからかう。 グラハムは受け取った新しいふんどしを着用する。そして、アレルヤといえば。リジェネの言葉にきっと睨み返したと思えば。 「だって、だって、みんな僕を放置するじゃないかあああああ」 「君には放置プレイがにあっている」 「ティエリアまで!」 「ボスがこういってるんだ、アレルヤ好きなだけ自分のしたいことすればいい。誰も止めないから」 ロックオンが笑顔で答える。 「そうだ、アレルヤ、俺と一緒に警官やめねぇ?まじで、警官してる意味ねぇよ、俺ら。転職しようぜ」 さっきまで気絶していたライルが復活する。 「転職かぁ」 「構わないが、アレルヤとライルの転職はダーマ神殿でしか行えないぞ。ちなみに、転職した職業はホイミスライムだ。一生元に戻れないが。それでもいいなら、警官やめてこい。今すぐ辞めてこい。辞表をティエリアに提出しろ、何、気にしなくてもメスのホイミスライムも用意しておこう」 刹那が楽しげに二人をからかう。 ライルとアレルヤは、目に涙をためて、泣きながら逃げ出した。 NEXT |