冷房が効きすぎているわけでもない。 みな、震えが止まらない。生の死体を、刑事なのに見たことがほとんどないからだ。 どんだけ暇人の刑事なんだよお前ら。 いつもは警察署でトランプしたり脱衣マージャンしたり、しまいにはプレステ3したり、ニンテンドーDSでゲームしたり、中にはオンラインゲームをしだしたり。 とにかく働いてない。それがちょり〜す警察署の警官たちの日常。 たまにくる事件の調書をとるのをめんどくさがって、クジで決めるといういい加減さ。 給料それでも上から貰ってるんだから凄い。こんな給料泥棒が他にいるだろうか、いやいない(断言) 「いいか、あけるぞ」 刹那が、リジェネが戻したふたをあけた。 「・・・・・・・・・見なかったことにしよう」 「刹那、生ゴミに出すか」 「いや、それよりこのままこいつの自宅に送れば?」 皆言いたい放題だ。 荷物のふたは再び閉じられている。 「燃やすか、いっそ?」 刹那がダイナマイトを取り出す。それは燃やすではなく破壊ではないだろうか、刹那。 ガタンゴトン。 荷物が動いた。 みんなびくってびびってる。 ロックオンはホラーが苦手。涙目になってティエリアを抱きしめている。 その反対側にはリジェネが抱きついている。 「やはり、生ゴミとして処理するか?」 ティエリアが一同を見やる。皆頷く。 「しょおおおねえええん!!愛のあまりクール宅急便でやってきてしまった私を許してくれ!」 荷物のふたがあいて、中に入っていた一瞬見るだけなら、死体に見えるような関節が外れたつまり方をしていたブシドーのブシ仮面ことグラハム・エーカーは右に曲がった首をそのままに刹那に抱きつこうとした。 「ちょりーっす!」 刹那はブシ仮面を見て、いつものR53タイプの擬似人格の口癖で返事をした。 「ちょりーっす!!」 「えーと、訳:死にくされ、変態、と刹那は言っている」 ティエリアが刹那のちょりーすにこめられた言葉の真意を訳す。 さすがボスと、皆憧れの眼差しを送る。 「少年、愛に萌えて萌えて燃えてクール宅急便でさえ冷ますことのできない私のこのハートの情熱を受け止めてくれえええええ!!」 「ウザイ」 パン。 リジェネはホルダーから愛用の拳銃カトロフを取り出すと、ブシ仮面の頭を撃った。 ドクドクと血を流しながら、倒れるブシ仮面。 「死ね、死ね!!」 刹那は厚底のシークレットブーツ(何気に21歳になったが身長が175センチしかないのがトラウマ)でブシ仮面をふんづけまくる。 シークレットブーツをはいているので、無論2センチ高いティエリアより身長は高い。 しかもブーツの底には鉄板がはりつけられていて、刹那の蹴りは相手の顎の骨さえ砕く威力。でふんづけまくる。 「はぁはぁ。少年・・・・」 鼻血を垂らしながら、グラハム特別捜査官は、股間をもっこりさせて本来自分が所属しているちょり〜す警察署にクール宅急便で出勤した。 いや、いつも出勤してこないので、彼がちょり〜す警察署所属の特別捜査官であることは、ボスのティエリアでさえも完全に忘れていた。 「駆逐、あるのみ」 ダイナマイトにジッポで火をつけて、ブシ仮面に放り投げる。 チュドーン。 盛大な音をたてて、ブシ仮面はふっとんだ。 ついでに、壁にも大きな穴があいた。 「またやったよ、刹那。だめだろ、警察署破壊しちゃ」 リジェネが刹那に反省を促すが、刹那は次のダイナマイトに火をつけている最中であった。 NEXT |