血と聖水Y「滅びよ」







「俺の血、返してもらうぜ!」
ロックオンは、アルテイジアをティエリアの血でできた槍で貫いた。

「なぜだ!なぜ、俺はお前になれない!俺は神になれない!!」
「そんな邪だから、神なれねぇんだよ!」

滴っていく血が、ロックオンの中に戻っていく。元々ロックオンの血であったものが、還っていくのだ。

「おっしゃああ!アレルヤ!」
「は」
アレルヤは、真っ黒な闇となって鋭い剣となった。アレルヤは、ネイの武器でもあるのだ。
真っ黒な、闇のような剣。
「刹那、リジェネ、ティエリア!!」
「はい!」
「OK!」
「了解!」

「ふっとばすぜええええ!!!」

「我血の神ネイ・フォーリシュ・エル・フラウ・ブラッディ・ナハト・ブラッディ!我の帝国を乱す汝を、滅ぼさん!!」
「いけ、ジルフェの精霊王!!」
刹那は、風の上位精霊ジルフェの精霊王、ジルフェルの跡をついだ姪のジファースを召還して、アルテイジアを真空の刃で切り裂く。
「ブラッディイーター!!ビームサーベルにまといつけ!」
蒼く耀くビームサーベルの刃に、蒼の血液となってブラッディイーターはまといついき、それでリジェネはアルテイジアの翼を切り裂いた。
「血と聖水の名において、アーメン!」
「アーメン、だにゃ!間違っても、ラーメン!じゃないにゃ!!」
巨大な白狼に乗ったティエリアは、自分の血、水銀を含んだ血液をまといつかせた真っ赤なビームサーベルでアルテイジアの右肺を貫いたあと、左肺も潰した。

「仕上げだ!」
刹那が、イースタンマジックの呪札をいくつか投げる。それは言霊の魔法となって、アルテイジアの身動きを完全に封じた。

「ネイ・フォーリシュ・エル・フラウ・ブラッディ・ナハト・ブラッディが命ずる、闇の精霊神ダークエルよ、我の刃に真なる闇を与えよ!」
アレルヤの闇の剣に、召還された精霊神ダークエルが、その身を闇にかえてまといつく。
闇の精霊神ダークエルは、ライフエルに似ている。ライフエルの弟だ。背に12枚の闇の翼をもったダークエルは、闇に全てを染め上げる。

「滅びよ!!!」
ロックオンが叫ぶ。

闇一色に染められている教皇、アルテイジア。

「ああああ・・・・・ネイ、いつか、お前は、その姫王を血族に迎えた報復を受ける・・・・覚えておくがいい。教皇の予知は巫女より上・・・くふふふふ、あはははは」
「うっせぇえええ!!!」
胴と首を切り離す。
その体は、灰となってこの世界から消えていった。


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