天使の鎖「天使の鎖」







18禁注意・・・・長編の18禁は裏にいきません
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ティエリアは、刹那に抱きかかえられて王の寝室に入った。
二人は西の館を出て、西の国で生活をはじめていた。
東の国は、今のところは摂政に政治を任せてある。王族出身であるし、何よりも刹那に忠誠を近い、反乱も防いできた頼れる右腕であった。

そっと、王の寝室に横たえられる。
ティエリアのベッドだった。新しく王として暮らすようになった刹那のために、城は大分改築工事が進んでいる。
西の国の民は、二人の結婚を祝った。
東の国はも、一応は形だけは祝った。刹那は素晴らしい王だが、王族はまだいる。
刹那が西の王になったとしても、問題はないし、東の王を退位しても問題はない。
西の王族がティエリア以外にいない以上、刹那との間に子をもうけなければ、ティエリアの代で代々受け継がれてきた西の王の血族は絶えてしまう。

「できれば、女の子がいいな」
「また、そんなことを言って」
寝室の明かりが消される。
二人は、いつものようにキスをしてから、互いの服を脱がせる。
「あ」
刹那が黒色ガンを煩っている胸の紋章に口付けるのもいつものことだ。
「感じる?」
耳を甘噛みして、刹那が聞いてくる。
刹那の瞳もティエリアの瞳と同じで、暗闇の中で金色に光った。
西と東の王族は、もともとは一つの王家だったのが別れたのだ。その血を引いている証拠だった。西の王も東の王も、代々目が金色に変わる。もともとは真紅なのだが、エーテル力の高い証である金色の瞳をもつ。
ティエリアが、刹那の耳に噛み付き返す。
ティエリアの12枚の翼が、天蓋のようにそっと刹那を包み込む。その翼の中で、刹那の6枚の白い翼がティエリアを包み込んだ。
「愛してる」
「僕も愛している」

二人は、シーツを乱しながら絡み合う。
豊かでもない胸を弄ばれて、ティエリアが身じろぎする。
「正妃でも、僕は王だ」
「知っている」
ゆっくりと、刹那の口付けが全身に降ってくる。
背筋を這う唇。
後ろから抱きすくめられる。
胸の突起をいじられて、声が漏れる。
「ああ」
「もっと、声聞かせてくれ」
濡れてきた秘所を、刹那の指が進入する。
「ん、んん」
「大丈夫?」
「大丈夫」
乱れた息を整える。
そのまま指は何度も秘所を出入りして、そして抜かれる。
「きて」
「愛してる」

ティエリアはシーツをつかんで、生理的に流れる涙を零す。
「あーーー」
刹那に引き裂かれながら、いつも思う。
こんなこと、されるくらいなら死んだほうはマシだと思っていたのに、刹那なら素直に受け入れることができる。
そのまま深く受け入れて、ずりあがった体を刹那が追いかける。
「ティエリア、ティエリア」
刹那の律動にあわせて、ティエリアの体が揺れる。紫紺の髪を振り乱して、西と東の王は一つに溶ける。

「感じる。あなたの熱を」
「俺も感じる。お前の熱を」

二人は深く舌を絡ませて、何度目かの夜を終えた。

ティエリアの右足には、瀟洒な金と銀の天使の鎖がエーテルとなって光っていた。
神の子の証である天使の鎖が。


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