王留美の経営するプールをまる一日借りることになった。 もちろんそんなことをしたのはロックオン。プールといってもレジャーランドでかなり広く、温水プールだ。滑り台だってついている。それはそれは豪華で長いものが。 波がくるプールもある。7つくらいに分かれていた。プールが7つ。 「ひゃっほいいいいい!!泳ぐぞおおおお!!!」 すでに水着に着替えたロックオンは、準備運動をしながら皆を振り返る。 「今日は一日貸切だぜ。遊びまくろーぜ」 アレルヤは笑顔で答え、年少組二人はムスーっとしている。 刹那もティエリアも水着に着替えていた。その上からパーカーを羽織っている。 「ほらほら、笑顔笑顔」 「ひとりでやってろ」 刹那が、ロックオンに蹴りを入れる。 ザッパーン。プールに落ちたロックオン。それでも笑顔を絶やさない。 「はははは、そんだけ元気あれば十分だ。刹那、お前もしかして泳げないのか」 「そんなことあるか!」 刹那は準備運動もせずにプールに飛び込むと、ロックオンと競泳をはじめる。それを見ていたアレルヤも、同じく泳いで混じりだす。 ムッスー。 ティエリアはふてくされている。 ティエリアは、ビキニタイプの水着を着ていた。いや、これに着替えろってほぼ無理やりだった。フリルがいっぱいついていて、胸のあるなしなんて分からない。 髪はゴムでツインテールにしていた。見た目はとてもかわいい。でも機嫌は極限に悪い。 ティエリアが泳げないことを、ロックオンは承知でプールに行くといいだしたのだから、仕方ないといえば仕方ないかもしれない。 ザッパーン。 人工の波を眺めて、ティエリアはジャボテンダーの浮き輪をもって、ティエリアは椰子の木の下に座って丸くなる。 人工の砂浜。それを手にとると、指の隙間からサラサラと零れ落ちていく。 ジャボテンダーも連れてきたティエリア。パーカーを羽織らせて、ベンチで座っている。 ティエリアはそのジャボテンダーを抱きしめて、浮き輪を置いて皆が楽しそうに泳いでいるのをただずっと見ていた。 「はっはっは、アレルヤああああ!!こんな楽しいこと、譲らないなんててめぇ、ふざけてんのかぁ!!」 人格がハレルヤに交代したアレルヤは、サーフボードを取り出して、波がきつい場所でサーフィンをしていた。 「うっは、俺すげぇええええええ!流石超人ハレルヤ様だぜ!!」 華麗にサーフィンをしていくが、何気にサーフボードにはマルチーズが描かれている。 「あ、あれ?」 人格が変わったアレルヤは、波にのみこまれていった。 「ぷは、なんで僕こんな場所に・・・ってあああああああああ」 でっかい波がアレルヤを飲み込む。 「楽しそうだな、アレルヤ」 ティエリアは、波の間を漂うアレルヤを羨ましそうに見ていた。 「ぼ、僕だって!」 アレルヤはサーフボードをかかえ、一度プールからあがると、サーフボードに乗って波を支配する。 マイスターの中でとりわけ一番全体的に身体能力の高いアレルヤは、どんなスポーツでもできる万能タイプだった。 「刹那、もっかい競争・・・・・・もぎゃああああああああ!!!!!」 ロックオンの悲鳴が届く。 刹那が、ロックオンのトランクスタイプの水着をずりおろしたのだ。 「こらああああああ!!」 真っ赤になって、ロックオンはぽかりと刹那の頭を殴ると、水着をはきなおす。 「俺は・・・・・・・ガンダム・・・・・・ロックオンよりもいつか!!」 何がロックオンよりもいつかなのは、想像にお任せする。 サーフィンを終えたアレルヤが、こっちにやってくる。 「どうしたの、ティエリア。泳がないの?」 「・・・・・・・僕は泳げない」 「でも、浮き輪もってるじゃないか」 「・・・・・・浮き輪をつけないと泳げないマイスターなんて」 ムッスー。 ティエリアの機嫌は直らない。 もともと、デートのためにプールをかしきったのだが、ロックオンは勿論他のマイスターも連れてきた。その点について、ティエリアも反論はない。皆で楽しめることはよいことだ。 「ヴェーダは・・・・泳げるタイプじゃないと」 「そんなの気にすることないよ」 アレルヤは、自動販売機からソフトクリームを買ってくると、それをティエリアに渡した。 ついでに、ハイビスカスの花をつんで、それをティエリアの髪に飾った。 NEXT |