プールでひゃっほい3







そのプールも波があった。
ティエリアは浮き輪をつけて泳ぎだす。
誰も見ていない今なら、何も言われないだろう。
泳いでいるというより、ただ漂っているかんじだ。いや、溺れているに近いか?
バシャバシャバシャ。
足と一緒に手もバタバタ動く。
完璧、溺れてる人に見える、ティエリアの泳ぎ方。器用すぎて、他の人間にはまねできないだろう。
ティエリアは、プールからあがると波がもう少し高くて深いプールにはいる。
そこにもバッシャーンと、耐水スプレーをかけたじゃボテンダーを投げ入れる。
本人、ジャボテンダーと一緒に楽しく泳いでいるつもりだった。

「狙い撃つ!」
ロックオンは、水鉄砲を構えるとアレルヤの顔に水を射る。
アレルヤは反撃しようとしてのたうちまわる。
「鼻に、鼻にはいったああああああああ!!」
アレルヤの死骸をムギュって踏んづけてから、刹那は走りだす。
走りながら、水鉄砲の引き金をひく。
それを、ロックオンがかわす。
ジャングルの中を、二人は走り回り、本物の銃をもって戦っているような緊張感が二人に走る。
「そこだ!!」
ロックオンの水鉄砲は、刹那の顔をうつ。
同じく、刹那の水鉄砲は、さっきからロックオンの股間ばっかりうっていた。
よほど悔しかったのだろう。

刹那は変なところで、子供っぽい部分が残っている。
いつもは寡黙で大人のふりをしているが、やっぱりまだ16歳の子供だった。

「俺が、俺がガンダムだ!いつかロックオンの股間を超えるガンダムだ!!」
どんなガンダムだよ。
ロックオンは吹き出してしまった。
その隙をついて、刹那がとうがらし入りの激辛水をロックオンの顔めがけてうつ。
それはロックオンの目に入り、ロックオンは。

「ぎゃあああああ、痛い、痛い、まじでいてええええええええ!!!」
もがき苦しみだした。
パタリと、密林の中倒れたロックオン。
刹那は、その体をむぎゅって踏むと、気絶したロックオンから水着を奪った。
「ガンダムは俺だ!!」
戦利品の水着を手に、刹那は撤退する。

プールに戻ると、バシャバシャと浮き輪をつけているのにティエリアが溺れていた。
「ティエリア!!」
刹那が、すぐにプールの中に飛び込んでティエリアを引き上げる。
「大丈夫か!?」
「・・・・・・・・ただ、泳いでいただけだ」
「・・・・・・・あれ、泳いでいたのか?」
「そうだ。何か文句でもあるのか?」
「いや。俺はガンダムだ。ガンダムは水に沈むから、ティエリアもきっとガンダムのせいであんな風に泳ぐようになってしまったんだろう」
「そうか。ヴァーチェは重厚タイプだから。だから僕の泳ぎが溺れているように見えるのか」
納得する二人、ガンダムバカ年少組。

「刹那、ところでその水着は?ロックオンのものじゃないのか?」
「ああ。勝利したから、戦利品にはいできた」
「はいだのか・・・・ロックオン、かわいそうに」
かわいそうにといいながらも、ティエリアは笑っていた。

「あぎゃああああああ!!」
密林で気がついたロックオンは、自分はスッポンポンになっていることに悲鳴をあげる。
「どうしたの、ロックオ・・・・もぎゃあああああ!!」
アレルヤも悲鳴をあげる。
ロックオンは、大きな葉っぱをちぎるとそれで股間を隠した。
「くそおおお、刹那!水着奪うか、普通!?」
ついでに、ロックオンの額には肉ってマジックでかかれていた。


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