「最後の夏」D







18R
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「ぐ・・・う」
何もかもが乱暴だった。
愛撫など一切ない。
肌に残される痣。
暴れるあきらの手をガムテープで戒めて、そのまま潤滑液も何も使わずに、すぐに挿入された。
「んぐ・・・・」
繊細なその場所は、潤滑液も解してももらえずに突き入れられて、すぐに血を流した。
「んんう」
「感じる?」
ハァハァと、蓮見の荒い呼吸が聞こえる。

気絶してしまいたい。でも、痛みでそれさえもできない。

身を引き裂かれる痛みに、あきらは絶叫しようとしたけれど、口を封じられてそれもできない。
ズチャ、ズチャと、血液を潤滑液かわりに蓮見の欲望はあきらの体内を出たり入ったりする。
足を抱えられて、乱暴に揺さぶられてあきらはまた涙を零した。
あきらが何かいいたそうにしているのに気づいて、蓮見は口のガムテープをとってやった。

「死ね、このレイプ魔!」
「おやおや。感じてるんだろう、ほんとは」
性急に蓮見が動きだす。
「やだ、やだああ!中に出さないでえええ!!」
その言葉を受け取って、蓮見はわざとにこりと人のいい笑みを刻んで、あきらの腹の奥で欲望をぶちまけた。
「あああ・・・・」
じわりと広がっていく感覚に、絶望感がさらに濃くなる。
「ほら、ビデオもとってるんだから。喘がないと」
「誰が・・・」
パンと頬を叩かれても、あきらは声をあげなかった。

そのまま、誰も助けもないまま、あきらは蓮見に2時間はいいように弄ばれ、レイプされ続けた。

「このビデオ、夜流に見せてあげよっか。写真と一緒に」
「やめて!!」
解放されたあきらは、震えてクローゼットから新しい衣装を出して、それで全裸を隠すように上着だけを羽織った。
「お前の望み、なんなんだよ!」
「破滅、だよ。お前と夜流の」
「なんなんだよ、お前!!」
涙を流して、床に蹲る。
助けてと、夜流にメールを打つことさえできない。
もしもこんな場面を、八ミリビデオとかを見せられたら、終わりだ。
「何も、俺も悪魔じゃないからさぁ。2ヶ月だけでいいよ。2ヶ月だけ、夜流と別れろと」
「2ヶ月・・・・」
「そう。そうしたら写真もビデオテープもみんな処分してやるし、俺がお前をレイプしたこともばらさない」
「2ヶ月・・・」
あきらは、何かに取り付かれたように2ヶ月と繰り返す。

「ほら、夜流に電話いれてやったよ?」
蓮見から、蓮見の携帯を渡されて懐かしい夜流の声に、あきらは安堵した。
「どうしたんだ、あきら?蓮見が、お前が俺に伝えたいことあるって」
「ほら。別れるって、いいなよ」
「やだ・・・」
携帯を遠くにおしやる。
すると、蓮見はどす黒い顔になってあきらの耳元で囁く。
「全部ばれていいのかい?夜流に捨てられるぞ。・・・・別れなきゃ、俺が夜流を殺すよ?」
殺意のこもった瞳。
蓮見の瞳は狂気に溢れていて、本気で夜流を殺しそうだった。

また、新しい涙があきらの目から溢れる。

「ナイト、別れよ?」
「え?」
「俺、新しい好きな人ができたんだ。蓮見っていう、ナイトの友達」
「どういうことだよ、なんで急にあきら!」
「うざいんだよ!もうお前とは終わったの!!」
「本気、なのか?」
「本気だよ。ばいばい」
携帯を一方的に切った。

「よくできました」
蓮見に頭を撫でられる。
あきらは頭が混乱し出した。
「あ・・・俺が愛した人・・・誰、だっけ。名前、忘れちゃった・・・・あなた、誰?」
あきらは、混乱のあまり、今までなんとか乗り越えかけていた記憶障害がまた復活していた。
その言葉に、蓮見は狂ったように笑った。

「俺はねぇ、君の大切な恋人」
「名前は?」
「蓮見」
「おかしいな?俺、他に大切な人がいた気がする」
「気のせいだよ、かわいいあきら」


幸せが崩れていく。
粉々に。


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