「あーきっつ」 「どういうことなの!最近私たちにお呼びがかからないと思ったら、レンカ、また卑しい手で陛下を魅了しているのでしょう!」 「そう、そのお前らの陛下だけど、バイセクシャルなんだよな。俺、男だし」 レンカは二人の寵姫を見て、ふと気づいたことを口にすると、イヴァル姫は真っ赤になった。 「な、な、陛下はあなたなんて相手にしないわ!」 「あ、これ昨日ユリシャにつけられたキスマーク」 首筋の紅い痣を指差す。 「あなたなんて!きなさい、牛糞部隊!」 いつの間にそんなもの作ったんだイヴァル姫よ。 しゅたっと何人かの下女が、牛糞を汲んだ桶を異臭を放ちながら現れる。 「ぶっかけなさい!」 「ぶっかけ返し〜ルクレツィアきたれ!」 「王にあだなす者、悉く星の力を知れ!」 ふわっと空間に突然現れたルクレツィアは、レンカの願いを察して、レンカに結界をはると、撒き散らされた牛糞をイヴァル姫とクローディア姫とその下女たちにぶっかけた。 「くっさー!はやく薔薇風呂入ってこいよ!」 床に落ちた牛糞はルクレツィアが消し去った。 「きいい、今にみてなさいよ!」 「今にみてなさい!」 イヴァル姫とクローディア姫は、お約束のような言葉を残して逃げ去っていった。 NEXT |