「夏休み」F








「あっち〜」
「あつい〜」
ぶーんぶーんと、扇風機がまわっている。8月の終わり、夏休みの終了まで1週間をきった。
夜流の家での、宿題大会。
夏休みといえば、最後に残るのは宿題。
哲とマサキは全然手もつけていない。透はもうやり終えている。夜流は毎日少しずつやっていたし、あきらは半分まで終わっていた。

結局、哲とマサキの分を透は手伝うはめになった。

「ぬおおおお・・・・観察日記・・・・小学生じゃないだろお!!」
だんと、哲がテーブルを叩く。
クーラーは故障したわけじゃないけど、電気代節約のため、熱い真昼なのに、あんまり冷房はきいていない。
一人、扇風機の風をおって、あちら側に、こちら側にとあきらが動いている。

その様子がかわいくて、夜流は、やっていた宿題を放り出して、あきらの手をひく。
「ん?」
あきらが首を傾げる。
「んあっ」
唇を奪ったあとで、白い鎖骨を吸い上げると、あきらはびくんと体を震わせながらも、夜流の頭に手を置いて、それから背中に手を回してくる。

「ラブラブだな〜、お前ら」
「つかあきら?」
「ん?」
透が、びしっとあきらを名指しした。
「お前、夜流といちゃつくのいいけど、その艶やかな腰にズーンとくる声、やめてくれない?」
「へ?俺の声?」
あきらは、自分を指差す。
「あ、それ同意」
マサキも頷く。
「あー、俺も。たまにめっちゃやばくなる」
哲も頷く。
「俺、そんな声してる?」
「「「してる」」」
三人ははもった。
指摘されても、あきらは首を傾げるだけで。
「いいの。あきらはこれでいいの」
夜流はあきらを独占して、離そうとしない。

あきらの今日の服装は、白の太ももまであるニーソと、ミニスカート、それにキャミソール。胸がないのまる分かりだけど、でも女の子にしか見えないから不思議だ。
ただの貧乳な少女にしか見えない。
いつものようにツインテールではなく、今日はリボンを編みこんでおさげにしていた。
結われたリボンは、夏祭りのあと、夜流が買ってくれた真っ白な新しいやつだ。

「あのさ、俺」
夜流を押しのけて、あきらも宿題をはじめる。
「夏祭りのとき、夜流とやったんだけどさー」

「「「「ぶっ」」」」

夜流だけでなく、哲もマサキも透もふきだした。
すでに、哲の情報でそれは透にもマサキにまで回っていたので、驚く者はいなかったけど、次のあきらの台詞にみんな驚いた。

「そん時・・・・避妊、しなかったんだよね。子供できたら、どうしよう」

ぽかーん。
みんな、アホみたいな顔になってた。

「あきら・・・・男と男じゃ、子供できないから」
透が、もっともな意見をいうけど、あきらは。
「んなの、わかんないじゃん!人間の体って神秘なんだぜ!この年で子持ちとか、俺やだよ・・・・・そりゃ夜流の子供ならうみたいけど、15じゃおれと夜流、結婚もできないじゃんか」

ぽかーん。
マサキと哲は、もう口をあけてアホ面になっていた。

「あー、大丈夫、責任とってちゃんと結婚するから。18になったら、結婚しよう」
「まじで?あ、でも俺大学いきたいから、大学卒業後にしない?」
ラブラブバカップルの話を透は聞き流す。

「あー宿題おわらね〜。俺の宿題は終わってるのに、マサキと哲のバカの分がおわらねええ!!!」

「今度から、ちゃんと避妊する?」
「んー。おれゴム嫌い。生でいいや」
はじめての本格的な、しかも野外というSEXから2週間が過ぎたけど、あれから夜流とあきらは2回SEXをした。あきらの家で。

「誰か、このバカップルを大阪湾に沈めてくれっ!!!」

透は、お日様に向かって大声で吼えていた。




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