「あきらU」@







25日。
クリスマス当日。
夜流が目覚めると、ベッドの隣にはあきらはいなかった。
家中探しても、あきらはいなかった。
あきらの机には、あきらの携帯が置かれたままだ。

コンビニにでも出かけたのだろうか?
そういえば、1時間くらい前にチャイムがなった気がする。
夜流は私服に着替えた。あきらも私服でどこかにいったらしくパジャマは綺麗に折りたたまれていた。

ピルルル。
ピルルル。

夜流の携帯がなった。
夜流は安堵して、携帯に出る。
「あきら、今どこだよ?俺になんかいってから、出かけろよ」
相手は無言だった。
「あきら?」
「おはよう、如月夜流くん」
「てめぇ!!」
携帯の相手は夏樹明人だった。
「あきらは、返してもらったよ。それじゃあ」
「おい、待てよ!!」
夜流の大声も聞かずに、相手は携帯を切ってしまった。
夜流はすぐに携帯であきらの母親瑞希に連絡をすると、そのまま警察にも連絡した。

夜流は慌しく夏樹家を飛び出すと、いくあてもなく町中を探し回る。
警察は母親瑞希のところで詳しい事情を聞いている最中だ。

「くっそ。くそおおおお!!」
夜流は、蒼い空を見上げて絶叫した。
つい昨日まで、あきらはこの手の中にいたのに。いや、朝まであきらは一緒のベッドで眠っていたのに。
いなくなった。奪われた。最悪の、悪魔に。
あきらを守るって誓ったのに。
守れなかった。

俺は、あきらのナイトだと、あきらに言っていたのに。
ナイト、失格だ。

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「んーー!!」
ガムテームで口を封じられたあきらは、チャイムが鳴ってドアをあけた瞬間に、いきなり口を塞がれ、そのまま羽交い絞めにさせられて高級車の中に押し込まれた。
今いる場所は、雪白学の母親、明人の愛人から与えられた邸宅だ。
あきらの家から5キロほどは離れているだろうか。

「ああ、あきら・・・・やっと会えたね。愛しているよ」
「んーーー!!」
恍惚に満ちた表情で、明人はあきらの頬を撫でる。
ベッドの上で、恐怖に震えるあきら。
あきらは涙を流して首をぶんぶんとふる。
「何かいいたいようだね」
ガムテープをとってやると、あきらは明人を睨んで、一言。
「死ね!」
「全く・・・・いけない子だ。知らない間に、兄と恋人同士になってしまって・・・・お仕置きをしないと」
ごくりと、明人が唾を飲み込む。
手もガムテープで戒められているあきらは、足で必死に明人を蹴ろうとするけど、すぐに足を捕まえられて、そのまま明人に押し倒された。

レイプされる。
このままじゃ、明人に。

あきらは、それでも最後まで抵抗した。
でも、勝てなかった。
何度も腹を殴られ、髪を掴まれて蹴られたりもした。頬を殴られ、口の中をきって、錆びた鉄の味にまた涙がでる。
「ぐ・・・・」
明人の暴力にぐったりとなったあきらは、着ていた服を全部破かれて、力なくベッドの中で父親明人を膝で押し返す。
「ここも、ここも、ここにも痕が・・・・相当、夜流とは愛し合ってるようだなぁ。今日から、俺が夜流の変わりに愛してあげるよ、あきら」
「お前が、夜流のかわりになんかなるもんか・・・死んじまえ」
バシッ。
また頬をぶたれた。
口内をまた切って、錆びた鉄の味が口に広がる。
ツーッと顎を伝う鮮血がやけに赤く、ルビーのようだった。

「お仕置きしないとね・・・・」
明人は、すでに猛り狂っているものをあきらの蕾にあてがうと、愛撫も何もなしで一気に貫いた。
「いやああああああああ!!!」
痛みに、意識が遠のきそうになる。
そのまま、律動を開始する悪魔。
ああ、そうだ。
思い出した。

俺は、いつも、この悪魔に、こうしてレイプされていたんだっけ。

「痛い、痛い!!」
「お仕置きだから、痛くていいんだよ」
「うわああああ!!!」
1時間に及ぶ暴行とレイプの果てに、あきらの中に明人は射精する。
「いやああ、それだけは、それだけは許してええ!中で出さないでえええ!!」
懇願するあきらの声を無視して、再び明人はあきらをレイプしていく。

あきらが、壊れていく。
あきらを支えていた何かに、罅が入る。

「パパ・・・・いやっ、優しくしてっ!」
昔のように戻ったあきらを抱き締めて、明人は満足そうに何度もあきらを抱いた。



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