「旅行」A







ほんとに、食べ歩きの旅行になってた。
初日から札幌味噌ラーメンを食べるべく、3件のラーメン屋を回った。
よくそんだけ食べれるものだと、あきらは2件目でギブアップしたけれど、夜流は3件のラーメンを食べつくした。
「うぇっぷ。もう今日は何も食えない」
「あ、あそこで白い恋人売ってるよ」
「おし、買って食おう!!」
札幌時計台の前あたりをうろうろしていた二人は、ホテルのお土産売り場に白い恋人のチョコレートが売ってあるのを発見して、早速夜流がそれを購入して、包みをあける。
瑞希用と、透とマサキと哲の分のお土産として白い恋人を購入していく。
「何・・・・それ、一人で全部食うつもり?」
「いや、おみやげだって。さすがにこんなにたくさんは食べません」

「お前・・・アホだろ。頭いいのにアホだ。こんな荷物もって、あと二日どうやって移動すんだよ!」
「はっ!」
白い恋人の包みを手に夜流は我に返った。
「そうだあ、お土産は最終日に買って帰るべきだったああああ!」
「・・・・・・どっか、空港に近い駅のコインロッカーに入れとけば」
「おお、あきらグッジョブ!」
「そんなことも思いつかないのか、お前の脳みそはこんにゃくか!」
「いいや、冷ややっこだ!」
「豆腐かよ!」
「健康にいいぞ!」
そんな二人を見て、ホテルの客がクスクス笑って通り過ぎていく。

「かわいいカップルさんね、あなた」
「いいなー、彼女かわいー」

そんな声が耳に届いて、二人して手を繋いで、無言になってホテルの部屋に戻った。

部屋に戻り、二人で互いにシャワーを浴びてバスルームを着て、ダブルベッドに背をむけて座りあう。
「なあ、あきら」
「やだ」
肩にかけられた手をつねる。
「あきら〜〜」
「やだもん」
「そう言わずに!旅行のカップルは、やっぱり夜は同衾するものだろ!」
「同衾っていつの言葉だよお前!」
「じゃあ閨を共にする!」
「言い回しが古臭い、却下!」
「じゃあ、ズキューンバキューン(夜流のために言葉を伏せてあります)」
「なああ!!」

あからさまな言いかたに、あきらは真っ赤になって、ダブルベッドの枕に夜流の頭を沈めた。
「モガーモガー!!」
「お前、エロい言いかたすんなやー!」
「ちょ、お前だっていつもはエロい言葉いってるじゃないか!」
「言ってないもん!」
「言ってる!ザーメンとか平気で口にしてる!」
「してないもん!!」

「一回、だけ。な?」
「うーん」
この通りと頼み込んでくる夜流を押し返して、あきらは躊躇った。
何も、夜流とSEXするのが嫌なわけではない。でも、せっかくの旅行なのに、腰がだるくなって楽しめなくなるのがいやなのだ。

「じゃ、一回、だけ」
「わっほいー!」

あきらは、夜流に押し倒された。
「ん・・・・」
心臓がバクバクいってる。
いつもと雰囲気が違う、ホテルの、しかも旅行の先ということで、顔は真っ赤になっていた。
「あきら?」
「夜流・・・・ぎゅっと、抱き締めて」
「うん」
二人はお互いを抱き締めあいながら、ダブルベッドの上に寝転ぶ。

「大好き」
「俺もだよ」
唇を重ねる。そのまま、数分たってから、あきらはガウンを脱がされた。

 



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