そのまま、次の日もずっと他の寵姫たちの嫌がらせは続いた。 出会い頭に水を浴びせられたり、酷いときには部屋の中まで荒らされた。着る服をボロボロにされても、星嵐は何も言わなかった。 真那はここ数日執務で忙しいため、後宮にきていない。 それをいいことに、寵姫たちの嫌がらせはエスカレートしていく。 食事に、虫をいれられたりと、正に後宮は弱肉強食の世界なのだと、星嵐は身をもって知ることになる。冠羅からきた女官たちにまで嫌がらせが及び、星嵐は冠羅からきた自分の世話をしてくれる女官に、冠羅に戻るように解雇通知を告げた。 嫌がらせがかなり酷くなっていたため、女官たちは守るべき主である星嵐を見捨てて一目散に冠羅に戻ってしまった。 残されたのは、星嵐と、真那から与えられた女官だけ。 真那から与えられた女官は、言葉をかけても無視される。影口こそ言わないが、星嵐の存在を不気味がっているのは明らかであった。 「冠羅に帰りたい・・・・」 涙を零す機会が多くなった。もっと強ければ。自分がもっと強ければよかったのにと、遠巻きながらにそんなことを思う。 最初は嫌がらせも酷かったが、真那が後宮に出入りするようになり、それも少し静かになった。 「なぜ、お前はいつも泣いている」 「さぁ、なぜでしょう」 真那に夜をと求められても、星嵐の心は哀しみしかない。 「愛している。子を孕め」 2回目になる、契り。 真那は星嵐を、子を成す道具としてしか見ていないのだろうか。 「ああっ!!」 薔薇色に染まっていく肌に何度も痕を残して、真那は星嵐の衣服を剥ぎ取っていく。 「ここ最近変わったことはないか?」 「何も・・・・あ、うあっ!」 秘所に指を差し入れられて、軽く星嵐は仰け反った。そのままばらばらに指を動かされて、星嵐はシーツを噛む。 「んう・・・」 「声を聞かせろ」 口の中に指を入れられて、そのままかき混ぜられる。指に舌をおずおずと絡めると、真那は愉悦に笑う。 「そうだ。私を求めろ」 汚されきられる前に。この男の意のままになってしまう前に。 いっそのこと・・・・。 星嵐は、枕の下に隠していた短剣を取り出す。 それは、暗闇の中、寝台の側の明かりにほのかに反射した。キラリと光る刃を、けれど真那は面白そうに見ている。カタカタと、星嵐の短剣を持っている手は震えて、それを自分に首にあてるも、いざ刃を突き立てる勇気さえなかった。 「うう・・・・」 「お前は、私のものだ。勝手に命を絶つことも許されぬということさ」 かつんと、星嵐の手から短剣が落ちて床に転がり、そのまま寝台の下に入ってしまった。 そのまま、真那は何事もなかったかのように睦言を続ける。 「いあ・・・っは、いやああ」 陰茎を口に含まれて、星嵐は頭が真っ白になった。そのまま、真那の口に射精してしまった。透明な、味もしない自分の体液を口移しで飲まされて、頭がさらに真っ白になっていく。 「だめぇええ」 「どうしてだ。濡れているぞ」 一度、その行為を覚えてしまった体は。男というものを知ってしまった体は、初夜は血をたくさん流しこそしたが、自己防衛のためか、秘所から蜜を零して男を受け入れるように変わってしまった。 「ああっ!」 ズンと、奥まで花弁を掻き分けて、狭い秘所を引き裂かれる。痛みは少ない。じんじんと、熟れるような熱さに苛まれる。 「いあ、あああ!!」 何度も出し入れを繰り返される。激しい行為だった。宙を、星嵐の水色の髪が舞う。まるで踊り子の髪のように、星嵐は熱に翻弄されながらも舞い続ける。 ズチュリと、水音が耳を打つ。 「はあっ・・・・あ、あ!」 最奥を何度も突きいれられて、目が涙で霞んだ。 「いあああ、ああ!!」 とくんと、体の中で熱い熱が弾けるのが分かった。 「いやあああああ!!」 子供なんて、孕みたくない。 星嵐は暴れるが、押さえつける真那の力の方が強い。全ての体液を注ぎ込まれて、ぐったりと項垂れる星嵐の蕾を、真那は塗れた蜜を掬い取って指を浸入させた。 「やめ、あああ!」 後ろまで指で犯されていく。 そのまま、細い肢体に、真那のものが突き入れられる。 「あああ、やめ、あーーー!!」 ぐりっと、後ろの前立腺を刺激する場所を抉られて、星嵐は呼吸を止めた。 「前が嫌なんだろう?だったら後ろで満足させろ」 「いやあああああ!!!!」 どちらも嫌だった。 でも、真那の行為は収まらない。激しく後ろから突き入れられて、長い水色の髪が揺れ、シーツにパサリと落ちる。 「あっあ・・・・・・ああ・・・・」 だんだんと、意識が遠のいていく。 激しい交わりに、ポタポタと結合部から二人の体液が混じったものがシーツに染みを作る。 グチャグチャ。ズクン、グプププ。 そんな音が耳をかすめる。 ああ、僕は男に、犯されているんだ。 遠い意識の狭間で、そう確認する。 涙がまた、零れた。 NEXT |