水色の悲劇







その日は、馬を走らせて藍零と一緒に湖の湖畔まできていた。
魚釣りに、供も連れずに遊びに出かけていた。

二人で笑いあいながら、水をかけあって、そしてのんびりと釣り糸をたらす。魚が釣れるまで、二人で同じ本を読んだり、雑談したりと本当に平和な時間が流れていた。

頭上に広がる雲のように、那伊の心は伸び伸びとしていた。それは藍零とて同じ。
「殿下、魚釣れたよ」
「お、ほんとだな」
バケツの中に魚をいれて、二人で眺める。
綺麗な色をした、水色の魚だった。
「変わった色だね」
「藍零の瞳の色と同じだな」
「空色っていうんだよ」
「そうか。空色の魚か。湖に帰してやろう。食べるには可哀想だ」
「そうだね」

ポチャンと、魚を湖に返して魚が泳ぎ去っていくのを、二人で見守った。長閑な時間だった。そろそろ昼食の時間かと、持ってきた弁当を取り出した、その時だった。草むらに潜んでいた複数の男が、一斉に那伊に襲いかかったのだ。

「死ね、この国に巣食う王族が!!」
「きゃああああああああ!!!!」

藍零の悲鳴が空を劈いた。
馬が悲鳴をあげて、嘶く。
狼藉者たちは、馬に鞭をくれて、遠くに逃がすと那伊を取り囲んだ。
「くそっ」

なんということだろうか。まさか、自国の民に襲われることになろうなんて。
太陽剣を抜き放ったが、すでに後ろに構えていた男の木の棒に頭を強く打たれ、那伊はその場に昏倒してしまった。血がじわりと草むらに広がり、錆びた鉄の匂いが風に流れていく。

「いやああああ、殿下、殿下!!!!」
藍零が泣き叫び、那伊の体を揺り動かす。
「どうする、殺すか?」
「やめてええ、殿下を殺さないで!!」
ばっと、藍零は涙を流しながら、蒼銀の髪を風に泳がせて倒れた那伊の前に立ちふさがり、両手を広げた。
「こいつは?」
「ああ、噂の王太子の愛妾じゃないのか。なんでも歌姫とかいう」
「へぇ」

昏倒した那伊を放置して、男たちが藍零を取り囲んだ。

「いやっ」

じりっと後ろに下がるが、すぐにとんと、後ろにいた男の体にぶつかってしまった。
「いや、いや!!」
「輪姦(まわ)すか」
「いやあああああ!!!」

ビリビリと、絹の衣装を引き裂かれる。
藍零は喉が枯れんばかりの悲鳴をあげ続けた。

「うう・・・・藍、零・・・・」
身動きのとれぬ体で、那伊は衣服をズタズタに引き裂かれた愛しい歌姫の姿を、ぼんやりとした視界の中に捉える。
声さえうまく出ない。
「藍零、逃げろ・・・・」
「いやあああああ!!」

「は、やっぱり両性か。男のものがついているなんてなえるが、これだけの美貌だと逆にそそられるな」
藍零は、那伊にしか見せたことのない裸を、男たちに与えてしまった。そして、いつもは蒼銀の髪に隠す美貌の顔も。
「ああああ、いやああああ、ああああああ!!!」
狂ったように、藍零は叫び続ける。

それを無視して、複数の男の手が藍零の裸を、白い肌を弄る。そして少女の花弁を確かめて、舌をなめた。
「まだ経験ないんじゃないか。きついぞ。それに綺麗な色をしている。使ってないんじゃないのか」
「なんだ、愛妾なのにもしかしてまだ王太子に抱かれたことがないのか、この両性」
「やめてええええええ!!」

藍零の少女の花弁にかわるがわる、男たちの指が突き刺さっていく。そして、ついに前を寛げた男の一物に、愛零は少女の花弁を蹂躙された。
「ひいいい」
はじめて味わう、身を裂くような痛みに藍零は手足をもがいた。
「後ろもつっこんでやれ」
「おい、しゃぶれ」
「ぐううう、あああああああ」

藍零は、前も後ろも同時に犯され、挙句の果てには口に男根をつっこまれてしゃぶることまで強要された。

「おいおい、なんて名器だこりゃあ。貴族どもが両性に狂うのが分かるぜ」
「こっちも具合最高だぜ」
「いああああ、ああああ!!!」

真っ白な体液に汚されて、藍零は散々複数の男たちに蹂躙された。そして満足した男たちは、愛零の全身に精液をかけると、那伊を蹴りつけてから去っていった。

「あああう・・・・・ああ・・・・」
藍零は、壊れたように自分と同じ色の空を見上げて、小さな呻きをもらし続けた。


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