私だけの小鳥







「んっ」
藍零が喜んでいる。あの藍零が妖艶に。

「あ・・・・後ろもめちゃめちゃにしてっ。殿下に汚されたいっ」
自分から、那伊の欲望をなめると、舌を出したまま藍零は那伊に近づくと唇を重ねた。
もう、完全に自我を取り戻しているのだが、この乱れようはなんだろうか。
両性とは、このような存在なのだろうか。
可憐で儚いのに、いざ体を抱くとこんな風に乱れるのだろうか。媚薬も何も使っていないのに。

「藍零」
形のいい尻に手をやって、そのまま藍零が望む通りに、後ろの蕾に舌をはわす。
「ああ、なめなくていいからっ。そんな、いいから早く」
「だめだ。ここは男娼でも、潤滑液などを使って使用する場所だ。あいにく潤滑液などないからな。濡らしておかねば」
「痛くてもいいからっ」
藍零がせかしてくる。

那伊は、蕾を舌でえぐってから、指をつきいればらばらに動かした。
「ああっ!!」
ひくんと痙攣する足を肩に担いで、一気に奥まで那伊は突き入れた。
少し血が出たが、構わず動く。

「これでいいのか、愛零」
「あ、もっと、もっとめちゃめちゃにしていいからっ。忘れたい!あんな男たちに汚されたことをっ!!」
藍零はすすり泣いた。

了解したとばかりに、那伊は激しく動く。
踵まである藍零の波打つ蒼銀の髪が注を舞うくらいに激しく、時には優しくゆっくりと。
前立腺を刺激する場所ばかりをこすりあげて、抉り、体位をかえて何度も藍零を貪った。
「あ、あ、うあああああ」
シーツを蹴る藍零の細い足。

まるで翼をもがれた小鳥のようだと、那伊は思う。

「あ、くああああ!!!」
苦しそうな藍零の呻き。
「大丈夫か?」
「あ、いやああ、真っ白になるううう」
「いってしまえ。真っ白な波からすくいあげてやろう、私が」

「あ、あああーーーー!!」
後ろを使って、藍零は絶頂に達した。少女の部分には指をいれて一番感じるであろう入り口付近をこするように愛撫してやる。
「あ、ああああああ!!!」

壊れたように藍零は喘ぐ。
だが、その啼き声さえもまるで小鳥が囀っているように、那伊には聞こえた。

「殿下・・・・愛してる。ずっと・・・・ずっと・・・・」
「私もだ、愛零」
「私だけを愛してっ。他に愛妾も妃も娶らないで。私だけを」
「お前に出会った時から、私にはお前だけだ」
「うん。あっ・・・・はぁっ!!」

クチュリと、音がなった。
また中で体液を出してしまった。
藍零は極まったあまり、気を失ってしまっていた。

「藍零・・・・私だけの小鳥。妃はお前だけだ」


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