「うん・・・・あ、あああ!!」
夜の帳が降りてくる中、藍零の妖艶な喘ぎ声が室内を満たしていく。
「はあっ・・・・あ、あああ!!」
女性として成熟したように見える体。でも、体の線は幼い少女のまま時を止めている。その花弁を舌と指で何度も愛撫してから、那伊は藍零を突き上げた。

何度も体を重ねてきたというのに、藍零の反応はいつも初心(うぶ)なようで、そして時折娼婦のように妖艶になる。

「ああっ!」
ぐっと中で指を折られて、藍零は仰け反った。
「きてぇっ」
大きく広げられた足をさらに膝で割って、那伊は藍零の秘所を肉の楔で引き裂いていく。
「殿下っ」
「藍零」

二人は寝台の上を、下になったり上になったりと体位を変えながら交じっていく。
藍零の秘所はいつも狭く熱く、那伊をたぎらせる。
体液の一滴まで飲み込むように。

行為が終わった後、二人は一緒に風呂に入った。
「ううん」
パシャンと湯がなる。
湯の中で、那伊が藍零を求めたのだ。
「ああ、お湯が中にっ」
「もっと飲み込んでしまえ」
「うああっ!!」
ちゃぷちゃぷと浴槽にはった湯が、排水溝に流れていく。
溢れた湯は、藍零の長い髪にしっとりと絡み付いて、そして髪は重たくなっていく。
「んあああっ!!」
ビクンと、湯の中で藍零が一際大きく声をあげて仰け反った。真っ白になった思考が戻る前に、次の衝撃が彼女を襲う。
「んあっ」

少年の部分は変わらず未熟なままで幼い。女性の部分も少女のように、美しく色をかえないまま。
まるで処女のようだ。

「お前は永遠の処女だな。私だけの処女だ」
「嘘つきっ。殿下が私の全てを奪っていくくせに」
「それもそうだな」
ちゃぷんとまたお湯の音がした。

花茎を指で扱って、藍零は湯の中に白い体液の蜜を零す。
男性としての機能はちゃんと果たしているようだが、女性として妊娠することは今だできないでいる。那伊に子種がないのかもしれないが、それは分からなかった。
流石に、医師も那伊に子種があるかどうかは恐れ多くて診察することができないでいた。
何せ、那伊はこの国の未来の王なのだ。
怒りにふれれば首が飛ばされかねない。

「藍零。子供ができなくても心配することはない。妃はお前しか娶らない。もう結婚はしないから」
「うん、陛下・・・・ああ!」
ひくんと、藍零の細い肢体がうねる。

水色の瞳が涙で濡れていた。

何度も何度も、藍零は那伊の欲望を体の奥で受け止めた。那伊は、藍零の前だけでなく時折後ろまで愛した。藍零は、それを臆することなく受け入れる。
愛妾からのし上がった妃として、夜の勤めだけはきっちりしたいという藍零の願い。
いつか、那伊が自分に飽きて離れていってしまうのではいかという恐怖は、幸せの底に隠れているようで、いつも藍零の耳に囁いていた。



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