子を望む







藍零妃が、月のものを迎えたという噂は宮殿だけでなく後宮中にも広まった。

「那伊。元気な子を作りなさい」
「はい、父上」

もう老齢にさしかかろうという父の言葉を素直にきく那伊は、このときまだ20歳であった。まだまだ年若い。藍零と出会ったのが太陽暦2007年のこと。今から3年前になる。
藍零は21歳になっていた。

21になって月経がはじまるとは、遅すぎるが、両性ということが関係しているのだろう。

こうして、藍零と那伊は夜をまた共にする。
「あ、陛下、子ができるように祈ってください」
「無論だ、藍零」
何日もの夜を共にした。

「ああああっ」
藍零が絶頂に達するのを構わず、那伊は藍零を揺さぶる。
藍零は蒼銀の髪を宙に舞わせ、シーツを手できつくつかんだ。背後から挿入され、激しく出し入れを繰り返された。
ヌプププという音と一緒に那伊のものが藍零の中に入り、そのまま一旦入り口まで引いたかと思うとすぐに、最奥にまで叩き込まれる。
子宮の中さえ精液で満たすように、那伊は藍零の中に体液を注ぎこむ。
「はあ、ああ、あーーーっ」
ひくんと、体が強張る瞬間。
那伊は、これでもかというほど、藍零の感じる部分を抉り突き上げる。同時に少年のような花茎を指で扱い、射精する寸前までもっていくと、根元を戒めた。

「いやああ、いかせてえええ」
「少し我慢しなさい。楽園が見えるようにしてやろう」
グプププ。
グチュリグチャリ。
結合部は泡立ち、藍零の真っ白な太ももを溢れ出た体液が流れていく。

「ああ、あ、いああああーーー!!」
秘所を貫かれて、抉られ、何度もこすりあげられて攻められる。
そして、やっと那伊は戒めていた藍零の花茎の根元を離した。
いつもより多く零れる白い蜜と一緒に、藍零の中にもまた精液が注ぎ込まれていく。
「ううん、うあーーー!!」
がくんがくんと体がいうことをきかない。
藍零は、絶頂が続くオーガズムの中を彷徨い続ける。

「ああ・・・・那伊・・・・はなさ、ないで」
「離さない。お前を愛しているのは私だ」
「那伊・・・・」

藍零の中に注ぎ込まれた那伊のものは、子宮にまであふれた。まだ幼い子宮を満たす体液の感触は、まるで海を溺れているようなかんじに似ている。

「きっと、子供ができるよ。可愛い子が。真那となづけるの。男でも女でも同じ名前を」
「そうだな。真那、早く産まれておいで」

二人は、まだ平らなおなかをなでる。
まだ命さえ宿っていないのに。
きっと、子は生まれる。
そう、二人の愛の結晶が、真那という名を冠してこの世に誕生し、時代が巡れば新たなる王太子になるのだ。姫であっても王の第1子であれば、無条件で王太子と呼ばれるのが、真国の歴史である。

那伊は行為を済ませ、湯浴みを二人でしてから、まだ子供が宿ったのかも分からない藍零のお腹に耳をあて、至福そうに微笑むのであった。
それを見て、藍零もまた幸せそうだった。

まさに、二人の愛は咲き誇る庭の薔薇ように、散ることを知らない。


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