血と聖水\「ネイの核(コア)」







ティエリアは目覚めた。
フェンリルは、泣き疲れて眠っていた。

「ティエリア。許してくれてありがとう。コア返してくれ」
「いやです」
ツーン。
ツンデレ発揮。
「僕とSEXするの、3ヶ月禁止です!!一人で始末してください、このエロヴァンパイア!!」

その言葉に、ロックオンはショックを受けて固まった。
「ちょ・・・・三ヶ月って、長くない?せめて一ヶ月にしようよ。いや、半月に」
「一週間に、僕らは3〜4回は交わってますね。禁止です。完全に三ヶ月禁止。ダッチワイフでも抱いて寝てろ!僕はフェンリルと一緒に寝ます。三ヶ月は、あなたと一緒のベッドで眠ることもしません。キスも許しません!!」
「ちょ、それ厳しすぎない!?」
「ふーんだ!!」
ネイのコアを手にしたまま、ティエリアはそれをロックオンに返すことをせずに魔法で体内にとりいれてしまった。
「これで、あなたは僕に触れることもできない」
「うわあああ!俺のコアがあああ!!ティエリアに触れたらおれのコアが傷つく。うわあああ、ティエリアにキスもできねえええ!!もぎゃあああああああああああああああああああ!!!!!」
ロックオンは、絶叫した。

「 (>'A`)>ア゙-ッッ!!」
自然と、そんな言霊を出していた。
「バーカ」
珍しく、ティエリアが悪口を言う。
「( ´Д`)うわーん」
「ふん!」
「 (>'A`)>ア゙-ッッ!!」
「(´ ▽`)一生やっててください」
ティエリアも、ついつい顔文字の言霊を使ってしまった。
ネイ、ロックオンの血族であるので、ロックオンが使う魔法も使える。
「右に(_´Д`) アイーン 左に(´Д`_) アイーン 」
踊りだすロックオン。
ショックで、顔文字ロンドの魔法が発動していた。ロックオンは神である。神を信仰しなくても、自分が神なので、実は神聖魔法の一部を使えたりする。
「右に(_´Д`) アイーン 左に(´Д`_) アイーン 」
「バーカバーカだ、にゃ」
起きたフェンリルを抱いて、ティエリアは着替えてフェンリルとデートに出かけた。

何日も眠っていたので、体を洗い清めたかった。浄化の精霊でもいいのだが、ゆっくりお風呂に入って寛ぎたい気分だ。ホームの風呂場だと、ロックオンが泣きながら使い魔で覗き見する可能性もある。
健康温泉ランドに、ティエリアはフェンリルと一緒に出かける。
貸切の風呂場で、二人はのんびりと寛いでいた。
バシャバシャと、フェンリルは猫かきをして湯船の中を泳ぐ。
「全く・・・・キスマークいっぱい!しかも消えない!!」
プンプン怒っているわりには、幸せそうなティエリア。ネイの行為を許した。
確かに、暴走する手前でロックオンは戻ってきてくれた。でも、怖かった。壊されるかと思った。一度自我が壊された中性は、元に戻る確立は低い。
だから、聖都の神子の中性は、例え愛した相手でも体を許すことはない。禁止されているのだ。愛し合って体の関係を持ってしまえば、相手が処刑されるという厳しいもの。

ティエリアとロックオンは、血族であるということから、中性のまま抱かれても平気なのだが、暴走したネイはティエリアの愛したロックオンではなくなる。血の神として暴走するネイは、灼熱のマグマ。そんな相手に、愛を貫き通しても焼かれてしまうだけ。

「右に(_´Д`) アイーン 左に(´Д`_) アイーン 」
その頃、ロックオンはまだホームで踊っていた。
「よ、ネイ!!」
ホームを訪れたリエット・ルシエルドは、聖教会のヴァンピールを癒し、人間に戻した後、二人のホームを帝国騎士のウエマと一緒に訪れた。
そこで見たものは、ネイがバカ面で踊り歌っている姿。
「右に(_´Д`) アイーン 左に(´Д`_) アイーン 」
「おい、ネイ、ネイ!!」
「└(゚∀゚└)ハッスル!ハッスル!!(┘゚∀゚)┘ ハッスル!ハッスル!! 」
「あー・・・・だめこりゃ」
「( ´Д`)なにか?」
ぼえーっと尋ねてくるロックオンから、コアがないのを感じ取った。
「おいネイ、コアはどうした」
「(V)・¥・(V) ・・・・・・・・三ヶ月、ティエリアに触れること禁止だって。コアはティエリアが体の中に取り入れちまった。抱くのもだめ、一緒に寝るのもだめ・・・キスするのもだめ・・・・うわああああんん」
ロックオンは子供のように泣き出した。
「あー。お前、やりすぎたな。ティエリア怒らせたんだろう」
「(V)・¥・(V) やりすぎた。でも、ティエリアを助けるためで」
「だったら、ティエリアは怒らないだろう?」
「 (>'A`)>ア゙-ッッ!!」
ロックオンは踊りだす。ごまかしているのがばればれだった。

「まぁ、ネイ、お前なんざティエリアに振られて当たり前だろうな。あ、大丈夫、ティエリアにはティエリアに相応しい神子、俺が知ってる。紹介しといてやるよ」
「ガ━━Σ(゚Д゚|||)━━ン!! 」
ロックオンは、おいおいとなき続けた。
「だめだこりゃ (>'A`)>ア゙-ッッ!!」
ウエマが、ロックオンをなだめるように軽やかに踊った。こんなアホだから、十年間拾われない帝国騎士なのだ、ウエマは。

二人の共通点。
それは、救いようのないアホ。

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