残酷なマリア「愛は真実だから」







18R
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「ん、はっ、はう」
立った姿勢のまま、ロックオンに前から犯されていた。
秘所に指をいれられ、液体をかき出される感触に耐え切れず、淫らな声をあげてしまい、それがまたロックオンに火をつけた。
「ん、んーーー!!」
舌を絡み合わせながら、二人は交じり合う。
「ああ、だめ、またイク・・・・僕、淫乱になっちゃった」
「俺のせいだって」
「あああ!うわあああ!!」
激しい挿入に耐え切れず、オーガズムにまた支配される。
頭が真っ白になって、何も考えられない。
酸素を吸い込んだあと、吐き出して、それを繰り返す。

「んう、あ、あ、また大きくなった・・・・」
「ティエリアの中がいいから・・・・」
「僕の、せいじゃな・・・あーー!!」
収縮する内部に誘われて、ロックオンはティエリアの右足を肩に抱えると、大きくグラインドする。
「あっ、あっ、あっ!!」
動きにあわせて、雫を滴らせた紫紺の髪が乱れ宙を舞う。
雫がポタポタと床に落ちる。

処女を失ったばかりだというのに、ティエリアの内部はロックオンを柔軟に包み込み、締め付ける。
熱い熱が、二人の間を行き来する。
「くそ、ティエリア・・・愛してる」
「あ、あ、僕も」
行為の間中、ひたすら交わされる睦言。
陳腐な台詞だけど、それがとても心地よい。
「僕だけを見て!」
「お前だけを見てるよ」

グチュグチュになった結合部からは、二人の体液が交じり合ったものが、ティエリアの太ももを伝って、排水溝に流れていく。
ロックオンは、しきりに未熟な陰核を指で弄ぶ。
「や、だめ、そこ弱いの、あああ!!」
女のような嬌声をあげて、乱れ狂う。
「きゃああああ」
一際甲高い声がバスルームに木霊する。
「い・・・う、あ、あ」
すでに何度ティエリアの中で果てただろうか。
ロックオンは、ふとした悪戯心から、シャワーのノズルをとって、水を最大限に調整すると、それをティエリアの秘所にグリグリと押し当てたのだ。
水の勢いに犯される感触に、ティエリアはの体が強張る。
「いやああ、だめえええ」
「気持ちいいのに?」
あきらかに、ティエリアの声には快感のそれが混じっていた。
「いや、こんなのいや、あなたがいいの!」
求められて、ロックオンも最後だとばかりにティエリアを貫くと、内部で果てた。

そのまま二人で、体力を消耗してぜぇぜぇと荒い呼吸をして、ある程度時間を置いて呼吸を整えたあと、ロックオンはティエリアをボディーソープとシャンプーで綺麗に洗ってあげた。
そして、バスルームからあがると新しいガウンを着させて、血と体液のしみついたベッドのシーツを予備のものに張り替えて、そのまま泥のような眠りを二人で貪った。

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後悔なんて、していない。幸せを貰った。ロックオンから、たくさんの幸せを。もう、思い残すことはない。
できればずっと側にいたいけれど。
でも、行かなければ。

リジェネはきっと、ロックオンを躊躇いもなく殺すだろう。
だから、行かなければ。

ティエリアは、眠りに落ちたままのロックオンにキスをして、もらった忘れ名草の髪飾りを、髪に留め、リジェネを呼ぶべく言葉を紡ぐ。
エーテルに匂いを感じ取れば、使徒はやってくる。
食事と呼ばれるエーテルを取り込む行為では感知できない場合もある。
核のエーテルを解放すれば、使徒は必ずやってくる。
そう、この言葉。
自分がマリアナンバーズである証の言葉を口にする。

「エーテル解放、目覚めよ我の中のマリア!!」
エメラルド色のオーラに包まれ、そして背に黒い翼を羽ばたかせて、ティエリアはホテルの壁をすり抜けて外に出た。

「我はオリジナルマリアを継ぎしマリア。アダムとイヴの種起動!」
オリジナルマリアの肉体だけが許される、核の起動。
それを、躊躇いもなしにティエリアは実行する。
たとえ、この身がどうなっても、ロックオンだけは守ってみせる。

「ロックオン。僕はあなたのこと決して忘れません。忘れ名草のように」
そして、眠るロックオンにティエリア・アーデに関する記憶の抹消を、エーテルと共にかけた。

「さようなら。愛しています」



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