世界が終わってもW「OOドラクエ4」







パーティー一向は、メタルキング狩りをはじめた。
さくさくLVがあがり、アレルヤはダーマの神殿で、武道家から賢者に転職した。
だが、たえず金欠で、お金稼ぎを頻繁にして新しい武器防具を調達しなければならなかった。
「ああ、現実世界では味わえないこの貧困。ある意味、新鮮だ」
ティエリアは、お金稼ぎに夢中になっている。
リジェネは、変わらず馬車の中で眠ったままだし、主に戦闘に参加するのはアレルヤ、ニール、ティエリアの三人だけだ。
次の町にいくと、刹那が待っていた。
「刹那・・・・・・変わらず、LV10のままなんだね」
職業は、ちゃんと「勇者」になっていた。ちなみに、他の仲間は皆LV50をこえていた。物語も終盤に近い。

「戦利品だ」

じゃらじゃらじゃら。
刹那が、馬車の中で、袋の中身をあける。
そこには数え切れないほどのゴールドと、伝説のメタルキングシリーズの武器防具が人数分揃っていた。
メタルキングの鎧、メタルキングヘルム、メタルキングの盾。
さらにはどこで手に入れてきたのか、星降る腕輪、炎のリング、水のリング、命のリングと、非売品まで揃っている。
さっそく、仲間たちはメタルキング装備を装備する。
装備できない者には、その職業が装備できる最高ランクの装備が揃えてあった。

ティエリアは、刹那に抱きつく。
「流石、刹那だよ!やっぱり、カジノで頑張っていたんだね!支度金の一万ゴールド全て渡して正解だった
ティエリアは、全資金を刹那に託していた。
なぜか、お金だけはプログラミング呪文を唱えても増えないのだ。裏わざを駆使して、ひたすらゴールドをためるしかなかった。

「ところで、ライルは?」
「さぁ?最初は一緒にカジノしてたけど、お金全部すって、ルイーダの酒場に入り浸って、どっかのダンジョンに出かけてから見てない
「ライル。君の犠牲は無駄にしない」
「ライル・・・本当はいい人だったんだ」
すでに、仲間たちはライルを死んだものとして扱っていた。

ちなみに、その頃ライルはあるダンジョンでドラクエWの登場人物である「ライアン」に出会い、人間になるためにライアンとPTを組んで冒険をしていた。

豊富な資金と装備を元に、装備だけ一流になった刹那。
メタルキング狩りで、あっとう間にLV50を突破した。その頃には、仲間たちはLV70をこえて、ティエリアは僧侶に転職し、そしてマスターして賢者になっていた。
これで、PTに賢者が三人もいることになる。攻撃魔法も支援魔法も使える賢者。

「ねぇ。寝てるのにもそろそろ飽きたよ。魔王倒しにいかない?」
リジェネの提案に、皆が頷く。
「刹那も、LV54もあれば十分だろう。あとは僕らがサポートする」
ルイーダの酒場でも、刹那たち勇者一向は尊敬の眼差しで見られていた。
いよいよ、世界を救う旅も後半。

「よ!」

その声に、ニールが驚く。
「え?お宅、どちらさまで?」
「おいおい兄さん、それはないだろう」
「ねぇ、ティエリア、この人知ってる?」
「知らない」
「俺も知らない」
刹那も首を振る。
アレルヤも首を横に振った。
「あの、失礼ですが、どなた様ですか?」

「こんにゃろう。今度はそうきたか!ライアンと旅して、おれは人間になれたんだよ!ホイミスライムのライルだ!」
「ああ、ライル」
「ライルか」
「もう墓たてちゃったぞ、どうする?」
「いや、いいんじゃないか?」

「墓ってひどいなお前ら!」

「とりあえず、お帰り」
ニールが腕を広げて、やっと人間の姿に戻れたライルを抱きしめる。
「兄さん・・・うう。兄さん、兄さん・・・」
ライルは、唯一まともに会話して相手をしてくれるニールに感動していた。
「さぁ、ライル、ダーマ神殿にいこうか

「へ?」

「さぁさぁ」
ニールが、ライルの腕を引っ張る。
一向は、ダーマ神殿にきた。
「ああ、そっか。俺、今職ないからな。そうだな、賢者が多いから、魔法使いあたりにでも転職するかな」
結果。

ライル(LV62)・・・・ホイミスライム

「やっぱり、ライルはホイミスライムでないとね」

ティエリアが、嬉しそうだった。
「ホイミスライム、とっても似合ってるよ、ライル」
アレルヤが褒める。
「このLVだとベホマまで使えるね。流石ホイミスライム」
「ライル、かわいいぞ。グラフィック、またホイミスライムになったな。人間になるだけ、無駄だったな。ホイミスライムは、PTのマスコットだから」
「兄さんまで!」
「ライル、ホイミスライムでいいじゃないか。それとも、ただのスライムのほうがいいのか?」
刹那の言葉に、ライルは首を振った。
「はい、もういいです。ホイミスライムで魔王倒します・・・」






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